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[戦評]良い試合が続かない名古屋と安定感出たF東京

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[7.12 J1第17節 F東京3-0名古屋 味スタ]

田村修一の「視点」

 FC東京が3-0で勝った試合はF東京の良さ以上に、名古屋グランパスの悪さが目立った。ストイコビッチ監督も指摘していたが、名古屋はスプリント量が少なく、オシム流に言えば自分のプレーをしようとする選手はいたが、チームのためにコレクティブなプレーをした選手はいなかった、という内容。DF面でもF東京の攻撃に対応できなかった名古屋は、交代枠3人を使い切った後に負傷者を出して数的不利まで強いられるなど、最後までチームがかみ合っていなかった。

 ストイコビッチ監督の話によると、チームは5日のG大阪戦は良い試合ができていたという。だが続かない。今季の名古屋がイマイチ波に乗り切れないのは、良い試合と悪い試合が交互に来るところが原因。この日は、意識してボールを回していく選手もいなかった。これでは間もなく公式戦出場が可能となるオーストラリア代表FWケネディが入っても、チームが大きく変わるとは思えない。

 一方、4連勝としたF東京は安定感が高まっている。元々攻撃の力はあったが、加えてゲームコントロールができるようになった。これまでならば、リードを奪っても試合のどこかで必ずパニックに陥る時間帯があった。それでひっくり返される試合もあった。つまり、いいときはいいけど悪い時に踏みとどまれないチームだった。

 危うさがなくなってきたチームに城福監督も手ごたえを感じているようだ。好調な石川(直宏)がこの日も決めたが、彼のスピードとシュート力を生かす攻撃もできている。また平山(相太)からもひ弱さが消えていたのが印象的だった。伸びているチームのパワーを感じるF東京。今後は守備力の高いチームに対してどこまでやれるか。鹿島や浦和のようなチームに対しても同じ攻撃を繰り出していければ、ACLは十分に射程圏内にあると思う。
 
<写真>勝利を喜ぶF東京MF鈴木(40番)と敗戦に点を仰ぐ名古屋MFマギヌン(8番)
(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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