beacon

香川2発に播戸移籍後初G、C大阪が4年ぶりJ1勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加
[4.3 J1第5節 C大阪 3-1 京都 長居]

 J1は3日、第5節1日目を行い、J1復帰後4戦未勝利(2分2敗)のセレッソ大阪がホームに京都サンガF.C.を迎え撃った一戦は、MF香川真司の2得点とFW播戸竜二の移籍後初ゴールによりC大阪が3-1で勝った。

 前節終了時点で16位のC大阪に対し、京都は7位(2勝1分1敗)。ただ京都が3月31日にナビスコ杯を戦い中2日なのに対し、C大阪は1週間間隔が開いての公式戦となった。そのC大阪は前節と同じ先発メンバー。GKがキム・ジンヒョンで3バックは羽田憲司、茂庭照幸、上本大海の不動のトリオ。ダブルボランチにアマラウとマルチネスが入り、右MFが高橋大輔、左MFが尾亦弘友希。香川真司と乾貴士がトップ下の位置に入り、1トップはアドリアーノだった。

 対する京都は4-5-1システム。GKが水谷雄一で4バックは右から増嶋竜也、郭泰輝、水本裕貴、森下俊。 チエゴと角田誠をダブルボランチに右MFが渡邉大剛、左が中山博貴、トップ下・ディエゴ、J1通算100ゴールに王手をかけている柳沢敦が1トップで先発した。

 試合はまず、ホームのC大阪が相手ゴールを脅かす。前半7分、左サイドのアドリアーノのポストプレーから、パスを受けた香川がドリブルシュート。相手DFを弾いたボールはクロスバーを叩く。このこぼれ球にいち早く反応した乾が決定的なヘディングシュートを放った。

 京都はカウンターから柳沢とディエゴが絡んでチャンスをつくったほか、セカンドボールを拾い徐々に相手を押し込んでいく。ただ、流れをつかむまでには至らず。逆にC大阪のショートパスと香川、乾のドリブルによって、徐々に守備ブロックに穴をつくられる場面が目立ち出した。C大阪は30分、香川がPAへパスを通すとアドリアーノが右足を振り抜く。これは京都DF増嶋の好守に防がれたものの、直後に試合を動かした。

 31分、カウンターからDFの背後を突いた京都の攻撃をPAから飛び出したキム・ジンヒョンがカット。そのままキムからカウンターを繰り出すと、右サイドでボールを受けた乾が相手のプレッシャーをかわしてPAへと近づき、絶妙なタイミングで中央を突いた香川へスルーパス。これを、香川がGKの頭上を射抜く鮮やかな左足ダイレクトシュートで先制点を奪った。

 さらに攻めるC大阪は右クロスのこぼれ球をマルチネスが決定的な左足シュート。京都はこれを水本がゴールライン上でブロックしたほか、水谷の好守もあり前半を0-1で終えたが、45分間でシュート11本(京都は2本)を喰らう劣勢だった。

 C大阪の勢いは後半も衰えない。7分、中盤から持ち上がった香川が左サイドPAでフリーとなったマルチネスへパスを通すと、マルチネスは左足ダイレクトでGKの頭上を狙う。GK水谷はゴールへ向かったボールをはたき落とすが、こぼれ球を香川が詰めて2-0となった。

 2点ビハインドで攻めるしかなくなった京都は、14分に17歳のFW宮吉拓実を投入。23分にはMF加藤弘堅もピッチへ送り出し、攻撃姿勢を強めた。そして25分、京都は左サイドでボールを持ったディエゴの鋭いラストパスがゴール正面にポジションを取った宮吉へと通る。胸トラップから左足を振り抜いた宮吉のシュートが、DFを弾いてそのままゴールへと吸い込まれた。

 1点差に迫った京都は、29分に日本デビューとなるブラジル人FWドゥトラも投入。宮吉の鋭い突破やディエゴの直接FKでゴールをこじ開けようとする。41分にはディエゴのスルーパスに柳沢が反応し、あわやの場面もつくりだした。
 だが、次の1点を奪ったのは32分にFW播戸とFW家長昭博を同時投入していたC大阪だった。45分、左サイドのタッチライン際でボールを持った家長が香川とのワンツーでPAへ侵入。そのラストパスを播戸が左足ダイレクトで決めて試合を決定づけた。

 J1復帰後初勝利。遅ればせながら“サクラが咲いた”C大阪の香川は試合後のインタビューで「やっと勝てたことがとてもうれしい」。播戸は「何としても長居スタジアムで(未勝利を)止めようと話していた。勝てて良かった」とサポーターとともに4年ぶりの「J1白星」を喜んでいた。

(文 吉田太郎)

TOP