[11.15 天皇杯4回戦 明治大1-3新潟 NDスタ]

　天皇杯4回戦の2日目が15日、各地で行われ、NDソフトスタジアム山形では明治大学とJ1アルビレックス新潟が対戦。明大の3試合連続となるJクラブ撃破に注目が集まる中、新潟がFW大島秀夫の先制弾、FW矢野貴章の2得点で3-1で退けた。

　明大はJ1の上位クラブを相手に主導権を握る時間帯もあり、決定機もたくさん作ったが、0-2の後半開始直後に奪ったFW山本紘之の1点のみに終わった。

　ここまでJ2湘南、J1山形と次々とジャイアントキリング(大物食い)を演じている明大。この日もシステムは4-5-1でGKは笠原昂史、DFラインは日野竜一、松岡祐介、蛭田達也、丸山祐市が入り、中盤はボランチに宮阪政樹と小林裕紀、攻撃的MFに都丸昌弘、山田大記、三田啓貴が入った。FWは山本紘之が務めた。三田は再三、前線に顔を出し2トップ気味にプレーする場合もあった。

　対する新潟はほぼベスト布陣を敷いた。システムは4-4-2でGKは北野貴之、DFラインは内田潤、千代反田充、永田充、ジウトンが入り、中盤はボランチに三門雄大と本間勲、攻撃的MFにマルシオ・リシャルデスと木暮郁哉が入った。2トップは大島秀夫、矢野貴章が務めた。

　序盤、明大は早いプレスが機能し攻勢に出たが、新潟は慌てなかった。最終ラインでしっかりと受け止め、反撃をうかがった。

　前半16分、左サイドをDFジウトンが突破して低いクロス。腰よりも引いボールにFW大島がダイビングヘッドで合わせて先制した。

　それでも、明大はひるまない。前半23分、MF小林がドリブルで切れ込みミドルシュート。さらに同29分には、MF都丸がペナルティーエリア中央付近からミドルシュート。攻撃のリズムを作った。

　同36分には左サイドを突破したMF山田が低いクロス。FW山本が飛び込んだが、わずかに合わなかった。同38分には、クロスボールを新潟GK北野がはじき、MF都丸が左足でシュートを放つが、枠を外した。いずれも惜しい決定機を逃した。

　すると新潟が反撃。前半40分、右サイドを突進したMFマルシオ・リシャルデスがグラウンダーでクロスを入れ、走り込んだFW矢野貴章が追加点。前半はこのまま新潟の2-0で折り返した。

　後半、明大が貴重なゴールを奪った。開始から1分もたたないうちに、DFジウトンのクリアミスを拾ったFW山本紘之がドリブルで突進。きっちりと追撃弾を決めた。

　この1点を皮切りに、明大が勢いを取り戻す。後半10分にはペナルティーエリアでFW山本、MF山田とつながり、最後はMF都丸が右足でシュート。同17分には右クロスにMF三田が飛び込んだ。いずれもゴールは決まらなかったが、押し込む場面が増えた。

　しかし、新潟は慌てない。後半19分には、左サイドからのクロスに矢野が走り込んで合わせ3-1突き放した。この日2点目と日本代表FWの実力を発揮した形だ。

　後半22分、明大はMF宮阪に代えてFW久保裕一を投入。攻勢に出た。試合はその後、明大が必死に動き回り、新潟を押し込む時間帯もあった。

　しかし新潟も、要所を締めて攻撃に出た。素速い攻撃からFW矢野ら前線にボールを入れた。一進一退の攻防が続く中、後半37分、明大はMF都丸昌弘に代えてMF奥田大二郎を投入した。

　明大は終盤に入っても運動量は途切れることなく、走り回った。後半38分にはFKで、同39分にはCKでチャンスを得たが、いずれもゴールに結びつけることはできなかった。新潟は慌てずに、落ち着いた試合運びを見せる。試合はそのまま新潟が3-1で逃げ切り勝利。J1上位クラブの意地を見せた。

(文　近藤安弘)

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