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[C☆voice_1]明治大MF山田大記「日本一に満足はしていない」

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 大学サッカー界の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く新連載「College star voice」。第1回は大学日韓戦で全日本大学選抜の10番を背負った明治大MF山田大記選手(4年=藤枝東高)です。1月に51年ぶりとなる大学日本一に輝いた明治大の新主将は、Jクラブから熱視線を送られる注目の“ファンタジスタ”。関東大学開幕を迎える現在の心境と注目の進路についても少し語ってくれました。


―リーグ戦開幕まであと2日となりました(※取材日・4月8日)。現在の調子は?
「調子はまあまあですけど、自信を持って臨めています。精神状態としてはだいぶいい感じでリーグ戦に入れそうな気がしています。(関東選抜や全日本選抜合宿でチームにはほとんど合流できなかったが)メンバーは昨年とほとんど変わらないし、チームスタイルも変わらない。新入生でトップに入っている選手もわずかなので、やり方・雰囲気に関しても違和感はないです。ただ(全日本大学選手権の)優勝メンバーが多く残っているけど、会見で監督も話していた通り、試合はやってみないと分からない」

―今シーズンはキャプテン。
「キャプテンは中学以来ですね。1年の時から同じ学年の中では自分が口に出して言わなければいけないと考えていました。4年になった時、キャプテンをやらないにしても、リーダーシップを取らないといけないと。キャプテンになってからはチームをよく見るようにということを意識しています。シーズンに入れば緊張による硬さや緩みというものが必ず出てくる。これに目を配って修正することが自分の役割だと思います。キャプテンのやりがいはあるし、1年間楽しみですね」

―今年は大学チャンピオンとして関東リーグに臨むが?
「自分はインカレの時ケガで出場時間が短かったし、いいプレーができなかった。チームとしても泥臭さという明大らしさは出せたけど、自分たちの思い描いているサッカーで勝ったわけではないです。優勝はうれしかったけど、満足はしていません。これは(小林)裕紀久保とかも同じ。普段インカレの話は出てこないし、チームに変な満足感はないですね。インカレの優勝は運が良かったというか、内容が良くなかったから、今年はみんなでいいサッカーをして勝ちたいです」

―個人的な目標は?
「ポジションは今年もサイドをやると思う。ただ、結果はしっかり出したい。結果を出すことが一番ですね。得点だったり、アシストにもこだわりたい。目標は10得点10アシスト」

―年々マークは厳しくなっているけど?
「マークされても、そこで活躍できなかったらその程度。周りの選手にいいパフォーマンをさせることは常に考えていますけど、いくらマークされていても、自分の結果を出すことも意識してやります。
 自分としては調子は悪くないと思っているけど、今年に入ってからデンソーチャレンジや日韓戦でいいプレーができていない。だから、厳しい試合やタイトルのかかった試合でこそ、存在感を出したいと思っています」

―今春Jクラブに練習参加して新たに意識が変わったことはある?
「サッカーに対する意識の高さは本当に勉強になりました。アントラーズの練習に参加した時、小笠原さんから練習生に対しても『自分の持ち味を出せ』と指摘されたことは強く印象に残っています。あとはもっとゴールに向かう意識を高めないといけないということですね。アントラーズは勝っているチームの凄さというか、どんな状況でも常にゴールを狙っている。確かにゴールに向かわないと相手にとっては怖くない。昨年、自分たちはボールを回すだけという時間が長かったので、自分自身だけでなく、チームとしてもこの意識を高めたい。自分自身も前は狙っていたけれど、引いて捌く場面が多かったので、常にゴールを意識したプレーができればと思います。この間、マリノスと練習試合をしたときは逆サイドで攻撃の起点をつくって自分がゴール前に入るというプレーができていた。その点は手ごたえを感じている部分ですね」

―進路が注目されているけど、自分の中では固まってきた?
「アントラーズとジュビロの2つに絞っています。これはもう決めているので。他にもお世話になってきたクラブはありますけど、他のクラブの方に聞かれた時はもうアントラーズかジュビロで考えていることを伝えさせてもらっています。最終的に決めるのはこれから。早く決めるメリットも少ないかと思うので、じっくりと考えて決めたいと思います」

今季、大学3冠を掲げている明大のリーダー。進路とともに本人が強く意識する「結果」にも注目が集まる。

(取材・文 吉田太郎)
[大学サッカー]

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