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[MOM311]清水ユースMF柴原誠(3年)_サッカー強国認めた才能「結果」で示す

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.12 全日本ユース選手権1次R第2戦 清水ユース 2-0 滝川二 埼玉S3]

 サッカー強国が認めたナンバー10が一瞬の輝きでチームに勝ち点3をもたらした。清水エスパルスユースの10番、MF柴原誠(3年)は静岡ユース(静岡県高校選抜)の一員として出場したSBS杯国際ユースサッカー(8月、静岡)で大活躍。U-19日本代表から2ゴールをたたき出すなど、国際大会でインパクト十分のプレーを見せたアタッカーはU-19スペイン代表、U-19ガーナ代表の各監督から「素晴らしい」と絶賛された。

 国際的に高い評価を得たからこそ「恥ずかしいプレーはできない。評価されてるのに、このレベル(高校生)でできないなんて訳にはいかない。自分がもっとやらないといけないと思っていた」という柴原。この日の前半はゴールに近い位置でボールに触れることができず、単発のドリブル突破を繰り返すだけでくさびに入ってもボールを失う回数が多かったが、それでも前半終了間際、海外が認めた攻撃力で先制ゴールを決めた。

 前半45分、MF成田恭輔からのパスをゴール正面左寄りの位置で受けた柴原は対峙したDFに対し、得意のドリブルから揺さぶりをかける。「中に入って縦へ切り返したら(マークの)DFが背を向けたんで背後を取れるな、と思った」とそのまま仕掛け、DFを置き去りにしてから左足シュート。「自分の得意の形」という対面のDFを外してからのゴールで、前半やや劣勢だったチームに1点をもたらした。

 さらに後半8分には右サイド、ハーフウェーライン付近でボールを受けると「誰も(マークに)来なかった」とドリブルを開始。スペースへ一気に持ち出すと、呼応するように味方選手2人が走り出す。柴原が背走するDFラインとGKの間にラストパスを入れると、体をいっぱいに伸ばしたFW柏瀬暁が左足で2点目のゴールを押し込んだ。1得点1アシストのエースは「結果を残すことが自分の持ち味なんで結果を出さないといけない。ただ結果出しても勝てないと評価されない。勝ててよかった」と勝利に満足げな表情を見せた。 

 初戦の浦和ユース戦は中盤の連続失点により2-6でまさかの大敗。チームがこの一週間、対人練習を徹底的に行ってきたことで柴原自身も「疲れていた」ことを認める。それでも大敗した浦和ユース戦でも自分の形から奪っていたゴールを再び決めた。
 初戦で6点を失ったチームは得失点差でライバルたちに劣るため、決勝トーナメントへ進出するためには流通経済大柏高との最終戦(18日)で是が非でも勝利をつかみたいところ。「(相手は強いが)ゴール前には自信がある。何とか勝ちます」と不敵に笑った清水の星が、こだわる結果を出して再びチームを救う。

(取材・文 吉田太郎)

連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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