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3年連続で昇格組と対戦の磐田、甲府に競り勝ち6年ぶり開幕戦勝利

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[3.5 J1第1節 甲府0-1磐田 中銀スタ]

 ジュビロ磐田が05年以来、6シーズンぶりとなる開幕戦白星を飾った。3年連続で昇格チームとの対戦となった開幕戦。過去2年、山形、仙台という昇格組に黒星を喫してきたが、今年は甲府のホームに乗り込み、MF山本康裕のミドルシュートで1-0勝利。決勝点の山本康は試合後のインタビューで「それ(過去5年開幕戦に勝っていないこと)は分かっていたし、ここで1勝することが大事だと思っていた。いいスタートを切れたと思う」と胸を張った。

 昨季同様、4-4-2のシステムを採用した磐田はGK川口能活、4バックは右から駒野友一、加賀健一、イ・ガンジン、パク・チュホと並んだ。中盤は大卒ルーキーの小林裕紀と那須大亮のダブルボランチで、右に山本康、左に船谷圭祐が入り、山崎亮平と前田遼一が2トップを組んだ。

 前半は甲府に主導権を握られ、劣勢の展開となったが、2人の新人が流れを変えた。後半12分、船谷に代わって明治大から新加入のMF山田大記がピッチに入ると、同じく明大出身のルーキーで開幕スタメンの座を射止めた小林とともに攻撃を活性化した。

 後半14分、左クロスからゴール前に飛び込んだ小林がシュートを狙うと、同15分には小林の絶妙なスルーパスから山本康が決定機を迎えた。さらに同26分、山崎の右クロスに走り込んだ山田が右足で強烈なシュート。これはGKの好セーブに阻まれたが、徐々に甲府を押し込んでいった。

 そして後半35分、駒野の左CKからセカンドボールを拾った山本康が左足でミドルシュートを放つ。一度はDFのブロックに阻まれたが、跳ね返りを再び拾って今度は右足を一閃。強烈なひと振りはDFの股間を抜けてゴール右隅に吸い込まれ、決勝点となった。

「あの場面はシュートで終わるのが大事。一度は止められたけど、いいところにボールが転がってきて、あとは振り切るだけだった」。豪快な決勝点を振り返った山本康は「チームが一丸となって戦えた。勝利が一番の目標だったし、良かった」と胸をなで下ろした。

 MF成岡翔、MF上田康太らが移籍した一方、目立った補強はなく、しかもMF西紀寛が負傷で長期離脱中。戦力的に不安視されていた磐田だが、小林、山田という大卒ルーキーが堂々としたプレーを見せ、山本康、山崎ら若手も存在感を発揮。新生ジュビロを印象付ける勝利で、上々の滑り出しとなった。

(文 西山紘平)

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