beacon

[Y☆voice72]日本高校選抜FW坂本樹是(久御山)「シュートは雑誌をあさって見て勉強した」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 高校年代の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「Youth star voice」。第72回(11年日本高校選抜編第6回)は久御山高(京都)FW坂本樹是選手です。
 バルセロナスタイルのサッカーで旋風を巻き起こした久御山の10番を背負い、その攻撃心旺盛なチームの中心選手として活躍。大会後には高校選抜、そしてU-18日本代表候補にも選出された実力者は、得意のドリブル、シュートを久御山でどのように磨いてきたのか、そして期待のかかる4年後の夢をどのように考えているのか?

―高校3年間を振り返って
「正直あっと言う間でした。みんな明るい人ばかりで、選手権でも分かってもらえたと思いますけれど、ずっと笑っていられました」

―久御山で学んだことは?
「ドリブルは松本先生から細かいところまで言われました。代わりにシュート練習する機会がなくて。シュート練習が本当少なかったんですよ。だからシュートは雑誌をあさって見て(自分で)勉強しました。でも(GKの絹傘)新についてもらったり、ホンマ練習しましたね。自主練が大きかったと思います。毎日してたんですけど、練習しすぎて太もも痛めて松本先生に『休め』と怒られることもありました」

―選手権。最高の結果ではなかったかもしれないけれど、準優勝。最高に近い結果になりました
「ボクらは大会始まる前に泣いてからスタートしているんで。(態度が不適切と指摘された)開会式の後、松本先生が初めて『オマエらにはあきれた』という感じになってしまって。『あす(の初戦)は負けて当然』みたいなことも言われて。協会の人に迷惑かけたと聞いていましたし、コーチから先生が協会に謝りに行ったことも聞いて。夜に選手だけでミーティングしたんですけど、もうみんな落ち込んでしまっていました。ボクだけ冷静になろうと泣かなかったんですけど、ホンマみんな試合前日の雰囲気やなかったです。でも次の日優勝候補の(中京大)中京に勝てたんで、不思議ですよ。それからは『謙虚に行こう』『謙虚に行こう』と。実はゴールパフォーマンスも考えていたんですけど、とてもできなかったですね」

―自分自身のプレーはできた?
「ドリブルがどこまで通用するか。そしてシュートを打っていこうと考えていました。相手が強い中でどのくらい行けるか知りたかった。でもケガがあって100%ではなかったです。初戦から3回戦までは左足にモモカンの影響があって、そして2試合目に臀部を蹴られて、こっちは寝返りも打てなかったです。後ろから来られると痛くてポストプレーなんかできないし、よくありませんでした」

―それでも優勝候補に連勝してゴールも決めて
「準優勝はキセキです。決勝とか思ってもいなかったし。中京に勝って、関大一にPKで勝って、流経にも勝てた。でも最後(決勝では)欲が出て勝とうとしてしまった。それまでは楽しもうとしていたのに、あそこで勝とうとしてしまったから最後勝ちきれなかったんやないかと思います」

―これから大学生活(京都産業大へ進学予定)も始まりますが?
「まず1年からトップチームに入ることを考えています。4年後にはプロになる。でも試合に出ないとプロは遠くなってしまいますから。だから最初が肝心。練習、サッカーに馴染んで、良い方向に進めばいいと思います。あとは今チームは2部なんでよりスカウトが見に来る1部に上げること」

―どの部分でアピールしていきたい?
「今まで通り前向いてドリブル仕掛けてシュートを打っていきたい。そしてパスを選択したり、常にその状況でよい判断ができるようにしたい。課題は代表になってくるとプレッシャーを速く感じて前向くところで前が向けていないということ。だからいい判断をして(どんな状況でも)前を向けるようにしたい」

―将来の理想像としてはどのような選手に?
「メッシだったり、ビジャだったり、バルセロナの3トップをイメージしてやってきた。バルセロナは憧れです」

―バルセロナはかなり試合のビデオも見てきたと思うけれど
「バルサしか見てない感じですね。バルサ見て、たまにレアルというくらい。週一は絶対で、ボクの場合は週三、四回はバルセロナの試合を通して見ていました。練習の終わりにビデオルームに行ってストレッチしながら見たり。バルサの良いところはやっぱり、パスサッカーと局面を打開するところ。身長がでかい選手はほとんどいないのに、小さい選手が狭いスペースに入り込んで崩して。見ていて面白いサッカーが好きです。可能性が少しでもあればバルセロナでプレーしたいし、夢をあきらめたくないです」

―最後に高校選抜について
「優勝を目指すことが先決。平岡監督からはトップ下や2列目、ウイングをやってもらうと言われているので、そのポジションで久御山やバルサスタイルがどこまで通用するか試しながらやりたい。そのサッカーで優勝できれば最高です」

(取材・文 吉田太郎)
連載:
「Youth star voice」

TOP