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[CL]長友がCLデビュー、王者インテルは劇的な逆転8強

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 インテル(イタリア)SB長友佑都が15日、アウェーで行われた欧州CL決勝トーナメント1回戦第2戦バイエルン(ドイツ)戦で、日本人としては史上4人目となる欧州CL決勝トーナメント進出を果たした。また、チームも3-2の勝利を収め、2戦合計3-3、アウェーゴール数でバイエルンを上回り、準々決勝進出を果たしている。

 インテルは左SBにクリスティアン・キブが先発。長友は第1戦同様、ベンチスタートで出場機会を待つことになった。メンバー表

 試合開始前には11日に日本で発生した東北地方太平洋沖地震の犠牲者に向けて「私たちは日本の皆さまと共にいます」の横断幕とともに黙とうが行われ、両チームが喪章を付けて試合に臨んだ。そして開始4分、FWゴラン・パンデフのアシストからFWサミュエル・エトーがネットを揺らしてインテルが先制。オフサイドを取られてもおかしくない微妙な位置でのゴールだったが、インテルが2戦合計1-1のタイに戻すことに成功した。

 6万6000人の観衆に後押しされたバイエルンも反撃を開始。前半21分、FWアリエン・ロッベンのミドルシュートはGKジュリオ・セーザルがファンブル。こぼれ球を第1戦の決勝点同様、FWマリオ・ゴメスが押し込んでバイエルンが同点に追いつき、2戦合計2-1とリードを奪った。

 さらにその10分後にもバイエルンにゴールが生まれる。ロッベンのパスはMFチアゴ・モッタがブロックするが、こぼれ球はMFトーマス・ミュラーの足下へ。これを冷静に決めてバイエルンが逆転に成功。2戦合計でも3-1とリードを2点に広げた。

 準々決勝進出には2得点が必要となったインテルは後半6分にMFデヤン・スタンコビッチに代えてMFコウチーニョを投入。攻撃の圧力を強めると、後半18分にMFウェズレイ・スナイデルがゴールまで18mの位置からミドルシュートを突き刺して同点に追いつく。2戦合計2-3と1点差に迫った。

 逆にバイエルンはロッベンが後半23分に負傷してベンチへ退くと、流れは徐々にインテルへ。そして迎えた後半43分、ロングボールに抜け出したエトーがゴール前にパスを送ると、パンデフが鮮やかなダイレクトシュートで劇的な同点ゴールを決めてインテルがアウェーゴールの差でバイエルンを逆転。この決勝点が決まる1分前の後半42分にキブに代わって出場した長友が、オーバーラップして相手DFを引きつけたことが奏功してのゴールだった。前回ファイナリスト同士の対戦にふさわしい死闘を制し、前回王者インテルが2大会連続の準々決勝進出を果たした。

 中村俊輔(セルティック)、本田圭佑(CSKAモスクワ)、内田篤人(シャルケ04)に続く日本人として史上4人目の欧州CL決勝トーナメント出場を果たした長友は、試合後に「どんなに離れていても心は一つ。一人じゃない、みんながいる。みんなで乗り越えよう」と書かれた日の丸を掲げ、日本の地震被災者に向けて激励のメッセージを送っている。

[写真]被災者に日の丸に書かれたメッセージを送る長友

(文 宝田雅樹)

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