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帰国した吉田と阿部のコメント

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 29日に大阪・長居スタジアムで開催される「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」に出場する日本代表に選出されたDF吉田麻也(VVV)、MF阿部勇樹(レスター・シティ)が21日、帰国した。
以下、両選手のコメント

●DF吉田麻也(VVV)
「今回はチャリティーマッチということで、一番は被災地の方のための試合。日本が大変なときなので、少しでもいいプレーをして、1人でも多くの人を勇気づけたり、元気づけたりしたい。こういう状況で何かやるというのは難しいけど、1つのことを成し遂げるにはみんながまとまってやらないといけないと思う」
―地震を知ったときは?
「想像していたより大きな被害があって、たくさんの方が傷ついて、つらい状況にいる。僕らが少しでも元気を与えられたらと思う」
―どんな試合を見せたい? 代表強化という意味もあると思うが?
「質の高いプレーをすること。チャリティーマッチだけど、次の代表に向けてのアピールでもある。自分にとっては毎試合がアピールなので。いいプレーをして、みんなを楽しませてあげられれば。サッカー選手なので、サッカーで何か人々に与えられるのが一番。質の高いサッカーを見せて、皆さんを楽しませることができればと思う」
―所属チームの選手の反応は?
「地震があってから心配してもらっていた。僕の家族は長崎なので、幸い無事でしたが、連日、オランダでもニュースが放映されているので」
―カレンからは何か言われた?
「ボビさん(カレン・ロバート)と一緒に募金活動をして、クラブもアクションを起こしてくれた。ホームゲームで募金活動して、横断幕も掲げてくれた。非力ながら少しでも活動しているところです」
―これから合宿までは?
「体のケアと、自分で動きます。名古屋とかにも行く予定です」

●MF阿部勇樹(レスター・シティ)
―代表復帰となったが?
「代表の試合に呼ばれるのはうれしく思ったけど、今の日本はこういう状況なので……。イギリスでもニュースで流れていたし、複雑です」
―地震を知ったときは?
「信じられなかったし、自分でもネットで調べた。今でも余震が続いているし、放射能の問題や液状化の問題もある。この状況で正直、何が正しいのか分からないですが、一歩前に進んでいくことが必要だと思うので、そういう中で精一杯やりたい。被災された地域の方が何か感じられるものを与えられれば。イギリスでもテレビで被災者の方のインタビューを見ると、逆にこちらが勇気づけられる。危険をかえりみず、救済にあたっている人もいる。今度の試合は日本にとって大事な試合。アスリートとしてできることは限られているかもしれないけど、何もやらないより、何か力になれると思って、それを信じて帰ってきた」
―被災地の方へ何かメッセージを。
「自分がそこにいないから、何と言ったらいいのか難しいけど、向こうでは『よく日本では物の取り合いが起きないね』と言われる。助け合いができるのが日本人。それを外国の人も分かっている。お互いに頑張っていければ」
―家族や親戚で被害にあった人はいなかった?
「自分のところは幸い大丈夫だった。親戚も大丈夫です。東北に親戚もいるけど、大丈夫だった。身内にレスキューで被災地へ行っている人もいる。そういう人に逆に勇気を与えられたりした」
―クラブからは何か言われた?
「レスターも『日本の試合に行って来い』と快く送り出してくれたし、早めに帰ることも了解してくれた。日本の状況とか、今度の試合の意味を理解してくれている」
―今後の予定は?
「まず実家に帰る。そのあとのことは1人では決められないので、どうするか分からない」

[写真]イギリスから帰国したMF阿部勇樹

(取材・文 西山紘平)

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