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後半被シュート2本で2失点、川崎Fは仙台の執念に屈す

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[4.23 J1第7節 川崎F1-2仙台 等々力]

「再開初戦のカードが決まったとき、選手にも『難しい試合になる』と話した。迎え撃つ気持ちだと飲み込まれるし、相手を上回る気持ちで準備してきた」。東日本大震災による被害の大きかったベガルタ仙台とJリーグ再開初戦を戦った川崎フロンターレ相馬直樹監督は試合前日の22日、相手を上回る気持ちで戦うことを強調していたが、リードを守りきれずに逆転負けを喫してしまった。

 勝ちきれなかった。身体を投げ出すかのようなスライディングタックルを見せるなど粘り強く守る仙台の前にチャンスの回数こそ多くなかったが、それでもMF中村憲剛が抜群のボールコントロールで起点となり、ショートパスで局面を打開する。またMF登里享平のドリブルやSBの攻め上がりによって、相手のを押し込んでいた。そして37分にはFW山瀬功治が右サイドから出した折り返しを右SBの田中裕介が合わせて先制。またディフェンス面では、クロスまでは持ち込んでくる仙台の攻撃を井川祐輔横山知伸の両CBが難なくはじき返してチャンスらしいチャンスをつくらせなかった。

 だが警戒していた仙台の戦う姿勢、気持ちを跳ね返すことができなかった。後半は被シュート2本で2失点。シュートがディフェンスに当たってコースが変わる不運もあった。だがMF稲本潤一が「相手のプレッシャー、寄せが(自分たちを)上回った。(90分間)貫いたチームが勝った」と振り返ったように川崎Fは、仙台のパワーに飲み込まれてしまった。

 1-1の後半33分からは怪我で出遅れていたFWジュニーニョを投入。稲本が個人技で相手守備網を打開し、カウンターから登里がスピードあふれる突破を見せるなど、得点を予感させていたが、競り勝ったのは仙台の方だった。相馬監督は「相手の執念、勝ちたい気持ちに上回られてしまったのかなと感じています」。

 山形との開幕戦白星から1ヵ月半後に迎えた再開初戦は黒星。この日は勝ち点3をつかむことができなかったが、次戦のアウェー、名古屋戦(29日)の勝利で川崎Fは今度こそリ・スタートを切る。

[写真]敗戦に落ち込む川崎Fの選手たち

(取材・文 吉田太郎)

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