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狙っていたカズダンス、朴のファーストタッチシュートで神戸が再開後初勝利

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[5.7 J1第10節 神戸1-0川崎F ホームズ]

 MF朴康造のファーストタッチシュートが決勝点になった。リーグ再開後勝利のなかったヴィッセル神戸は川崎Fに1-0で競り勝ち、3月6日の浦和との開幕戦(1-0)以来、4試合ぶりの勝利を飾った。

 0-0で迎えた後半22分、FW森岡亮太に代わって朴が入ると、その1分後だった。左サイドからMFホジェリーニョがドリブルで切れ込む。体を前に入れたDF田中裕介はボールをゴールラインに出してゴールキックにしようとしたが、ホジェリーニョがあきらめずにチェックに行くと、ボールがゴール前にこぼれ、出場したばかりの朴が右足で押し込んだ。

「結果が残せてうれしい。ポジションはたまたまだけど、飛び込むイメージはあった。ファーストタッチです。ボールが目の前にきて、落ち着いて対応できた」。開幕戦に先発して以降、3試合連続で出番のなかった朴。クラブによると、「試合に出れていなかったので、結果を残してアピールしたかった。次の試合に出るための結果を残せたことはよかった」と素直に喜んだ。

 得点後は尊敬するFW三浦知良(横浜FC)をまねた“カズダンス”を披露。「カズさんがチャリティーマッチでゴールを決めてカズダンスを踊っていたのを見て、あらためてすごい選手だなと思ったし、尊敬するカズさんが踊っていたので、僕も決勝ゴールを決めたら踊ってやろうと思っていた」と、“狙い通り”のパフォーマンスに会心の笑みだった。

 チームにとっても価値ある一発だった。このゴールが実に297分ぶりとなる得点。2試合連続無得点で2連敗中だったチームはFW都倉賢がFWポポに代わって今季初先発。古巣戦となった都倉は前半4分に森岡の左クロスからヘディングシュートを放つなど前線で奮闘した。前半14分にはFWジュニーニョの決定的なシュートをDF茂木弘人が体でブロック。GK徳重健太も再三の好セーブでピンチを救い、総力戦で約2ヵ月となる勝ち点3を手にした。

 和田昌裕監督は「この2試合、得点ができずに0-1で負けて、内容はいいと皆さんが言ってくれていて、実際に私も選手には言っていたけど、『もうこの試合に負けたら内容がいいでは言い訳にしかならない、この試合はとにかく勝ちにこだわろう』ということで選手たちを送り出した」とコメント。「本当によく走ってくれた。選手は4、5人が足をつっていたと思うが、交代枠を超える数の選手が足をつりながらも、最後まで集中を切らさずやってくれた結果が、こういう形で勝利に結び付いたのではないかと思う」と、最後まで戦い抜いた選手を称えていた。

(文 西山紘平)

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