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[MOM434]三菱養和SCユースGK永井堅梧(2年)_キック脅威のGKが集中力向上で変化

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プレミアリーグ イースト
[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.7 高円宮杯プレミアリーグイースト第5節 三菱養和SCユース1-1札幌U-18 三菱養和会調布G]

 強豪・コンサドーレ札幌U-18から勝ち点1を奪取した三菱養和SCユース。その立て役者は10年U-16日本代表候補のGK永井堅梧だった。前半4分に札幌のU-18日本代表MF榊翔太が放った左足FKを抜群の反応ではじき出すと15分にFW下田康太が放った左足シュート、そして25分に左アーリークロスからFW鈴木貴大がゴール至近距離で合わせた決定的なシュートも好反応でストップする。「GKというポジションは点を取られたらダメ。チームのために防ぐだけ。ゼロだとチームも乗るし流れもつくれる」と永井。押し込まれた立ち上がりを無失点で乗り越えたことが35分にFW木村陸人の先制ゴールにつながった。

 好守でチームを支えた永井だが、最も相手の脅威となっていたのはそのキックだ。DFラインからつなごうとした三菱養和だが、相手のプレッシャーの前にボールを下げてしまう場面が目立った。だが、「相手の嫌なところに蹴る。狙ったところに落とすようにしている」という永井は強く正確なキックを札幌のDF間に落とし、そこに木村が走りこんでボールに絡むなど、背番号18のフィードが札幌の攻撃リズムを狂わせていた。

 小学生のとき、DFだったという永井。「バックをやっていたとき、高かったり、裏に蹴ってくるボールが嫌だった。だからパントキックは相手の嫌がる裏とかに入れてチャンスになればと思っている」。今大会第2戦の静岡学園高戦では後半ロスタイムに絶妙なキックを相手最終ラインとGKの間に落とし、それに走りこんだ木村が劇的な同点ゴールを決めた。同点アシストは永井にとって“狙い通り”のビッグプレー。ライナー性のボールなど意図的に蹴り分けるGKは、今後もアシストを常に狙っていくつもりだ。

 昨年はU-16日本代表候補に選出された。コーチングスタッフから指摘されたことは「集中力をつけろ」ということだった。「集中力が切れてしまうところがある。ここが(代表レベルとの)差だと思う。意識の問題。でも意識しだしてからはこれまで取れなかったシュートを取ることができるようになった。1点の重みを知るようになった。取れるシュートを取ってゼロに抑えてやろうと思っているし、ゼロを目指してやりたい」。この日はゼロに抑えることはできなかったが、集中力の増した守備で最少失点におさめてドロー。キックが最大の魅力である守護神は意識改革の成果をこれから無失点に抑えることで示していく。
 
(取材・文 吉田太郎)
特設:2011 プレミアリーグ

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