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湘南は3試合ぶり得点で先制も愛媛とドロー。前横浜FMの齋藤が同点弾

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[5.8 J2第11節 湘南1-1愛媛 平塚]

 J2第11節が各地で行われ、神奈川・平塚競技場では湘南ベルマーレ愛媛FCが激突した。ここ2試合1分1敗と白星がなく、また得点もない湘南が、後半14分にFW高山薫の今季初ゴールで先制したが、終了間際の後半42分に、愛媛は横浜FMから新加入のFW齋藤学が同点弾を決め、1-1のドローに終わった。


 湘南は名古屋から加入したFW巻佑樹が開幕の岡山戦以来、4試合ぶりの先発を果たした。システムが4-5-1から4-4-2に変わりGKは西部洋平、DFラインは右から臼井幸平、大井健太郎、遠藤航、石神直哉。ダブルボランチはハン・グギョンと永木亮太が組み、2列目は右にアジエル、左に坂本紘司が入った。2トップは巻佑樹と佐々木竜太が組んだ。

 対する愛媛はエースFWジョジマールがベンチスタートになり、FW内田健太が今季初出場初先発を果たした。最近3試合で6失点のDFラインも変更。CBは池田昇平がベンチを外れ、吉弘充志が今季初出場初先発。また左SBの前野貴徳が出場停止のため、三上卓哉が開幕の札幌戦以来4試合ぶりに先発した。システムは4-4-2でGKは川北裕介、DFラインは右から関根永悟、吉弘充志、高杉亮太、三上卓哉。ダブルボランチは田森大己と渡邊一仁が組み、2列目は右に赤井秀一、左に杉浦恭平が入った。2トップは内田健太と齋藤学が組んだ。

 立ち上がりから湘南がボールをつなぐが、愛媛は攻め込まれた際にPA付近で8人が固める守備的戦術を採用。湘南はアジエル、佐々木のドリブルを活かしてこじ開けようとするが、バイタルエリアを崩すことができない。それではと前半11分、石神が左足で強烈なミドルシュート。コースは良かったが、GK川北の好セーブに阻まれた。

 湘南は前半24分、カウンターからアジエルがドリブル突進。PA中央で左足を振り抜いてミドルシュートを放ったが、相手にブロックされた。同27分には左からのクロスがファーに流れながらも、巻が必死の走りで追い付いて止め、アジエルへ。再び巻が受けて狙い澄まして低めのクロスを入れたが、GK川北にキャッチされた。 

 愛媛FCは前半44分、齋藤が奮闘した。PA右でパスを受けてドリブルで仕掛け、右足を一閃。リズムよく持ち込んだが角度がなく、GK西部に防がれた。湘南も反撃。前半45分、佐々木がドリブルで仕掛けて中央やや右を巻とのワンツーで抜け出し、PA内右でシュート。しかし、マークが厳しく強いシュートが打てず、GK川北にセーブされた。前半は互いに決め手のないまま0-0で折り返した。

 後半開始から、湘南は佐々木に代えてFW高山薫を送り出した。後半も湘南が攻め込む展開。愛媛は2連敗中のため、敵地といえども負けられない状況で、後半13分には内田に代えてFWジョジマールを投入してゴールを狙いに行った。そんな愛媛の思惑をすぐさま湘南が打ち砕いた。

 後半14分、アジエルの縦パスに高山がスピードを活かして抜け出し、ドリブル突進から右足を一閃。しっかりとゴール左下に決めて貴重な先制点を奪った。高山は今季全試合に途中出場しているが、これが今季初ゴール。チームにとっては4月23日の札幌戦以来となる3試合ぶりのゴールで反町康治監督の期待に応えた。

 愛媛はジョジマールのポストプレーや高さを活かそうと早めにボールを入れてきたが、攻撃が単調になり、大井と遠藤が組んだ湘南CB陣に跳ね返される。湘南は中盤での運動量を増やそうと、やや疲れが見えていたアジエルに代えてMF菊池大介を送り出した。

 後半31分、愛媛は左サイドから中へ仕掛け、最後は赤井が強烈なミドルシュート。コースは良かったが、GK西部のファインセーブにあい同点弾とはいかなかった。愛媛は同33分、杉浦に代えてFW福田健二を投入。経験豊富なベテランストライカーに同点弾、そして逆転弾を託した。

 その後、互いに攻め手のないまま時間が過ぎる。湘南は追加点を狙ったが、相手の引いた守備を崩せない。そんな中、愛媛が同点に追いついた。PA手前で福田の胸トラップパスを齋藤学が拾って突進。持ち味のスピード豊かなドリブルで突破し右足を一閃。今季、横浜FMからレンタルで加入した若きストライカーが、1-1と試合を振り出しにする今季2ゴール目を決めた。

 ここ2試合、1分1敗と勝ち星がない湘南。後半43分には巻に代えてFWルーカスを投入して勝ち越しを狙った。ロスタイムは4分の表示。湘南は必死で攻めたが、息を吹き返した愛媛が必死に守る。同49分にはルーカスが仕掛けてPA手前でシュートを放ったが、相手にブロックされた。試合はそのまま1-1の引き分けに終わった。愛媛は連敗を2で止めたが、J1復帰を目指す湘南はこれで3戦連続白星なしとなった。

(取材・文 近藤安弘)

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