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「土肥さんのために……」東京Vが3発決めて、今季初勝利!!岐阜は最下位転落

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[5.8 J2第11節 岐阜1-3東京V 長良川]

 東京ヴェルディFC岐阜に3-1で勝利した。今季5試合目での初白星。昇格候補に挙げられながらも、4試合勝ちなし(3敗1分)と苦しんでいたチームが勝ち点3を手に入れた。一方、敗れた岐阜は2連敗を喫して、最下位に転落した。

 2-1で迎えた後半17分、試合を決定づける3点目を決めたMF飯尾一慶は、一目散に味方のいるベンチへ走った。駆け寄るチームメイトを次々とかわして、ベンチに掲げてあったGK土肥洋一のユニフォームを手につかんだ。「去年も今までも土肥さんがいろんなピンチを救ってくれて。そんな土肥さんの気持ちを、みんなが背負うためにもユニフォームを飾ってもらった」。試合後のテレビインタビューで飯尾は話した。前節のF東京戦で左アキレス腱断裂、全治6ヵ月の大けがを負ったベテラン守護神へ捧げる一発だった。

 今季は昇格候補に挙げられながらも開幕から3連敗。前節の東京ダービーでもスコアレスドローに終わり、勝利することはできず。最下位に沈んでいた。さらに4試合で2得点と攻撃陣が結果を残すことができなかった。しかし、この日の東京Vは違った。

 前半6分、FW河野広貴の右クロスからゴール前での混戦。FW平繁龍一がなんとか足を伸ばし、左サイドへボールを流すと、これを拾ったFW井上平が右足で蹴り込み、先制点を決めた。同24分、MF嶋田正吾にループシュートを決められて試合は振り出しに戻されるが、1-1で迎えた後半、東京Vの攻撃陣が意地をみせた。後半開始から河野に代わって出場したMF高木善朗が起点となり、幾度も攻撃に絡んで、流れを取り戻す。そして後半14分、飯尾の左クロスに相手GKが触れて、コースが変化。こぼれをひろったFW井上平が左足で流し込み、再びリードを奪った。

 ダメ押し弾が生まれたのは、そのわずか3分後、PA外右からのFK。MF小林祐希が蹴り入れたボールはゴール正面へ、これはGKにパンチングで弾かれたが、こぼれ球を拾ったMF飯尾一慶がワントラップから右足を一閃。3-1と試合を決定づけた。

 試合後のテレビインタビューで2得点を決めた井上は「ずっと勝てなくて申し訳ない気持ちがあって、でもなんとか結果が出てうれしいです。これからも自分たちのやるべきことをやりたい」と笑顔で意気込んだ。しかし、川勝良一監督は「もっと取れるチャンスはあった。4点、5点取らないと。これで満足していたら、次の試合でまた痛い目に合ってしまう」と厳しい表情で語っていた。

 ようやく勝ち点3を手に入れた。昨年同様にスタートでつまずいてしまったが、この勝利を皮切りに快進撃をみせていくしかない。

(文 片岡涼)

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