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F東京はセザーの開始1分弾も……。湘南が中村弾で執念のドロー

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[5.22 J2第13節 FC東京1-1湘南 味スタ]

 J2第13節の2日目が各地で行われ、東京・味の素スタジアムではFC東京湘南ベルマーレが激突した。昨季はともにJ1で戦い、昇格候補同士の一戦は、FW陣に故障が相次いでいるFC東京が、開始1分にFWロベルト・セザーがゴールを奪って先制した。湘南は主導権を握られる展開が続いたが、後半33分に途中出場のFW中村祐也が同点弾を決め、1-1の引き分けに持ち込んだ。

 平山相太、高松大樹と相次いでセンターフォワードが負傷離脱した、苦しい状況のFC東京。この日は前線を中心に前節から4選手を入れ替えた。システムは4-2-3-1でGKは権田修一、DFラインは右から椋原健太、森重真人、今野泰幸、中村北斗。ダブルボランチは徳永悠平と梶山梶山陽平が組み、2列目は右から今季初出場の田邉草民、羽生直剛、鈴木達也が入った。1トップは3試合ぶりの先発となったロベルト・セザーが務めた。

 対する湘南は4-4-2システムを採用。メンバーも前節と変わらずGKは西部洋平、DFラインは右から臼井幸平、大井健太郎、遠藤航、石神直哉。ダブルボランチは永木亮太とハン・グギョンが組み、2列目は右にアジエル、左に坂本紘司が入った。2トップは巻佑樹と高山薫が組んだ。

 試合前から雨が降り、ピッチが濡れた中での一戦。ともにボールをつなぐチームとあって、ボールの滑り具合などを確かめるためにも静かな立ち上がりになるかと思われたが、両軍ともに前線から積極的にプレスをかける。そしてFC東京が幸先良く先制点を奪った。

 前半1分、湘南陣内の右サイドで得たスローインから、最後はPA右横で梶山が球足の速いグラウンダークロス。これを中央でロベルト・セザーが左足を丁寧に合わせ、加入初ゴールを決めた。手元の時計は開始50秒。まさに“速攻”で1-0リードを奪った。

 その後も、ともに中盤で積極的なプレスを掛け合う。ボールが滑るためトラップに苦しみ、細かいパスミスやルーズボールも多くなった。また共に攻撃重視のため、攻め合いの展開。運動量を見るとハイペースで試合が進んでいく。バイタルエリアの崩しがまったくできない湘南は前半7分、坂本が左足でミドルシュートを放ったが、上に大きく外れた。

 そんな中、個人技で勝るFC東京が主導権を掴みだす。前半8分、椋原の横パスを羽生がPA手前で受けて左足で強烈なミドルシュート。これはGK西部の好セーブに阻まれた。同26分には梶山がドリブルで持ち込んでPA正面から右足シュート。GK西部の正面だったが、押し込む場面が増えた。

 湘南はなかなかゴール前を崩せない。そのため、前半38分には石神が得意の左足でロングシュート。強烈な一撃で枠をとらえていたが、これはGK権田に弾かれた。FC東京は同41分、セザーが得意のドリブルから右足を振り抜いたが、GK西部の正面だった。前半はFC東京の1-0のまま折り返した。

 後半もFC東京が主導権を握る展開が続く。雨も弱まり、FC東京がボールをつなぐ時間が増えていった。湘南はアジエルが持つとタメが作れるが、2トップにいい形でボールが入らないため、攻撃の構築に苦労する。後半13分、湘南はゴール中央やや右で約25mのFKを得る。これを石神が得意の左足で直接狙ったが、右に外れた。その1分後には巻の落としから最後は坂本が右足シュート。コースは良かったが、GK権田のファインセーブに阻まれた。

 何とか打開したい湘南は後半20分、一気に2選手を入れ替えた。巻に代えてFW佐々木竜太、高山に代えてMF菊池大介を送り出した。対するFC東京は同27分、田邉に代えてMF谷澤達也を投入した。直後、立て続けにシュートを放つ。後半28分、セザーが強烈なミドルシュート。その1分後には谷澤がロングシュートを放ったが、いずれもGK西部の好セーブに防がれた。

 湘南は後半30分、坂本に代えて快足が武器のFW中村祐也を投入。今季初出場となったが、結果的にこの采配がズバリと当たった。同33分、素早く右サイドに展開して攻め上がった臼井が突破からクロス。これを中村がうまくDFの間に走り込み、ヘディングでゴールネットに突き刺した。流れを変える大きな1-1同点弾を奪った。

 J1昇格へホームで確実に白星が欲しいFC東京は後半34分、羽生に代えてMF大竹洋平を投入した。同42分、カウンターから梶山が鈴木にパス。ドリブルからフリーで右足シュートを放ったが、これは惜しくも左に外れた。終盤、FC東京は執念の攻撃を見せる。しかし、湘南守備陣も踏ん張り、ゴールは割れない。昨季J1勢同士の対決は、1-1の引き分けに終わった。

[写真]F東京・今野(右)と湘南・菊池のマッチアップ

(取材・文 近藤安弘)

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