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石川復活弾、F東京が水戸を下して今季初の3連勝

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[6.25 J2第18節 水戸2-3F東京 Ksスタ]
 J2第18節は25日に第1日が各地で行われ、ケーズデンキスタジアム水戸では水戸ホーリーホックFC東京が対戦。ともに2連勝中と調子が上向いてきているチーム同士の対戦は、F東京が5月28日の京都戦以来4試合ぶりとなる今季2度目の複数得点を奪い、3-2で勝利。最近6試合負けなしで今季初の3連勝をつかんだ。
 F東京は、前半は水戸のカウンター攻撃に苦しむ場面があったが、後半、セットプレーで均衡を破った。同9分、ゴール正面やや右で得たFK。これをキックの上手さに定評のあるDF森重真人が右足で直接決めて先制に成功した。
 これで元気付いたF東京は後半15分、PKで追加点を奪った。PA内左をDF中村北斗がドリブルで突破を試みると、DF岡田佑樹に倒されてPKを獲得。これをMF梶山陽平がきっちりと決めて2-0とリードを広げた。
 しかし、いまだ前評判通りの実力を発揮しきれないF東京だけに、すっきりとは勝てなかった。後半18分、PA左ラインぎりぎりのところでMF高橋秀人がスライディングでボールをクリア。この際、走り込んできたDF保崎淳を倒してしまい、PKの判定となる。高橋のスライディングはボールに行っていたほか、保崎は後ろから走って来たため、F東京イレブンはファウルではないと猛抗議したが、覆らず。キッカーは保崎が務め、一度はGK塩田仁史に弾かれたが、こぼれ球を保崎が押し込んで1点を返した。
 これで水戸が勢いづいたが、不運が襲う。後半26分、水戸DF岡田佑樹がFWロベルト・セザーを倒して2度目の警告を受けて退場。10人と数的不利となった。これをF東京が活かす。後半34分、途中出場の元日本代表MF石川直宏が右サイドを駆け上がり、梶山からのスルーパスから今季初ゴールを決めて3-1と突き放した。後半44分にF東京ユース出身の水戸MF村田翔にミドル弾を決められたが、F東京が何とか3-2で逃げ切った。
 F東京は得点力不足に苦しんでいるが、ここまで3試合連続無失点だった水戸の守備網を破って今季2度目の複数得点。3連勝を果たし、勝ち点を21に伸ばした。だが、1年でのJ1復帰が最低目標だけに、大喜びはしていない。試合後のテレビインタビューで大熊清監督は、選手を評価しつつも「(水戸が)厳しいサッカーをしてきて、なかなか思う通りにいかなかった。最後の粘りは凄かった。試合の締め方が自爆的なところがある」と反省も忘れなかった。
 今季、怪我で出遅れている石川は途中出場で決勝弾となる今季初ゴールを決めたが、笑顔は少なめ。「終わらせ方が良くなかった。そこを反省して次に臨みたい」と課題を口にした。チームの完成度は、怪我人が多いためまだまだだが、結果は出つつある。もっと攻守で安定した実力を発揮し、首位追撃の体制を整えたい。
 一方の水戸は、最近の3試合を2勝1分で、3試合連続無失点と上り調子だったが、セットプレーから失点し、リズムを崩した。ただ、カウンターやサイド攻撃の鋭さなど持ち味は発揮し、F東京を苦しめたのは事実。次節29日は東京Vと対戦するが、同様のサッカーを続けて勝ち点3を狙う。
(文 近藤安弘)

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