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東京V、飯尾が1得点1起点で逆転に貢献。「チームに申し訳ない気持ちがあった」

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[6.29 J2第2節 東京V3-2水戸 味スタ]
 東京ヴェルディは前半15分で2失点を喫する最悪の立ち上がりから息を吹き返し、3-2の逆転勝ち。今季初の3連勝で9位に浮上した。5得点→4得点→3得点と最近3試合で計12得点と攻撃陣が奮闘して連勝を伸ばしたが、前半32分から緊急出場したMF飯尾一慶が0-2からの逆転の流れを作った。
 MF河野広貴が左足首痛を抱えた中、痛み止めの注射を打ってまで強行出場。しかし、本来のプレーとは程遠く、特に守備面では前からのプレスも、戻ってからの守備も後手となり、相手にそこを使われた。そのため、2試合の出場停止が開けた飯尾を投入し、リスタートした。
「河野が足が痛い中、一生懸命やってくれた。そういう姿勢でチームが活気づいた。あいつのためにも頑張らないといけないと思った。1点を返せば、勝てると思っていた」
 そんな気持ちで戦った飯尾が1得点1起点と奮闘した。0-2の前半39分、MF小林祐希の直接FKのこぼれ球を押し込んで1点を返した。そして後半4分にはDF森勇介の右クロスからFW阿部拓馬がヘディングで同点弾を決めたが、その前の効果的なサイドチェンジは飯尾だった。これで東京Vはさらに勢いづき、後半19分にはMF菊岡拓朗の逆転弾で3連勝をつかんだ。
「自分のつまらない行動で、2試合出られなかった。チームに申し訳ない気持ちがあった。自分が入って負けなくて良かった。この2試合は5-1、4-0で、自分が出ないほうがいいのかなと思ってしまった」
 飯尾には期する思いがあった。12日の草津戦。飯尾は退場処分を受けたが、その際、主審に侮辱的な発言をしてしまい、5-1勝利した19日の富山戦、4-0勝利した25日の岡山戦に出場停止だった。これまでサイドMFのレギュラーを掴んでおり、もう一度、自身の存在感を発揮し、先発を奪回したい気持ちがあった。
 そして相手の指揮官は、ヴェルディのOBで指導も受けた柱谷哲二氏だった。「個人的には意識していました。テツさんはすごくお世話になった人。まだ頑張っている姿を見せられて良かった」と飯尾は笑顔を見せた。東京Vは小林や河野をはじめ、菊岡や阿部など若い選手が多い。29歳とベテランの域に差し掛かった生え抜きのアタッカーがJ1昇格へ牽引する。
(取材・文 近藤安弘)

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