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水戸・柱谷監督が激怒。「サッカーを分かっていない」

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[6.29 J2第2節 東京V3-2水戸 味スタ]

 水戸ホーリーホックは前半の15分間で2点を先行したが、2-3の逆転負けで今季初の連敗を喫した。柱谷哲二監督は「入り方が良くて先に点が取れて、追加点も取れた。でも途中からミスが多くなって……。もう自滅です。勝ちゲームを落としてしまった。とても残念です」と怒りをあらわにした。

 立ち上がり、東京Vはどこか動き出しが遅く、守備面で後手に。そんな中、前半8分にMF島田祐輝の強烈ミドルで先制。さらに同15分にはセットプレーからFW常盤聡が追加点を決め、ゲームの主導権を握った、はずだった。

 しかし、2-0からのゲームプランが統一されていなかった。前から行ってもう一点取りに行くのか、それともボールを回しながら様子を見て、相手の攻め急ぐ姿勢を逆手に取ってカウンターを狙うのか……。戦術統一できない中、個人技で勝る東京Vが主導権を握り、攻勢をかけてきた。水戸は連戦の蓄積疲労もあり、持ち味の運動量が徐々に減り、狂った歯車を戻せなかった。

 ボランチのMF西岡謙太は「余裕を持って相手を動かすとか、そういうことができなかった。試合の中で修正ができないと、こういう試合を落としてしまう」と嘆いた。この日は右SBに抜擢された小池純輝も「2点取ってから緩くなった感じ。いい意味で、もっと楽にやればよかった。楽というのが、緩いというほうに出てしまった。変に焦らなくてもよかったと思う」と試合運びがうまくいかなかったことを悔やんだ。

 柱谷監督は「(2点取ってからは)暑いので、ボールポゼッションを高めたかった。でも、前にボールを蹴るバカがいた。ほんとサッカーを分かっていない。完全に自滅です」と試合内容を振り返るたびに、顔を紅潮させた。ハーフタイムに指示は出したが、思うようにいかなかったようだ。そもそも、東京Vは2008年に監督を務めたほか、コーチとして、そして現役時代もプレーした古巣。2008年の監督退任後、初の対戦となるだけに、負けたくない思いがあった。

「ヴェルディさんもそんなにいいわけではなく、我々が良いゲームをできていただけに、本当にもったいない。本当にもったいないゲームだった」。口を開くたびに、柱谷監督からは悔しさが伝わってきた。そんな指揮官の思いは選手に伝わっているはず。前節のFC東京戦も2ー3と悔しい思いをしたが、水戸は熱血漢のもとでこの悔しさを成長の肥やしとし、上位進出のきっかけとしたい。

(取材・文 近藤安弘)

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