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[総理大臣杯]浜松大が村松のゴールを守りきり、阪南大下す

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[7.3 総理大臣杯・1回戦 阪南大0-1浜松大 金鳥スタ]

 夏の大学日本一決定戦である第35回総理大臣杯全日本大学トーナメントが3日に大阪で開幕した。キンチョウスタジアムの第1試合では阪南大(関西1)と浜松大(東海2)が対戦。下馬評を覆し、浜松大が1-0で勝利した。浜松大は5日に行われる2回戦で国士舘大(関東5)と対戦する。

 試合前、阪南大の須佐徹太郎監督は「前期リーグの後半戦でやれたように、決定機を多くつくること」、浜松大の長澤和明監督は「ボランチが相手を上回れれば」と、それぞれ勝利に必要なカギを語っていた。

 阪南大の狙いは、半分は成功したが、結果は違ったものになった。開始早々に右サイドハーフのMF村山拓哉(4年=久御山高)のコントロールショットがポストを叩き、その直後にもボランチのMF窪田良(2年=東京Vユース)がフリーで放ったシュートはクロスバーを直撃した。チャンスはつくるが、決め切れない。これで流れが変わった。

 浜松大は前半11分、DF関嶋順起(4年=岡崎城西高)からパスを受けたFW村松知輝(3年=帝京高)が左サイドを突破し、「ファーサイドを狙った」というシュートを見事に沈める。「祖母の四十九日だったので、絶対に点を取りたかった」という村松の気持ちのこもった先制弾。前半、浜松大のシュートはこの1本だけだったが、それをしっかり得点に結びつけ、試合を優位に進めた。

 ビハインドの状態になった阪南大は前半36分、ケガでベンチスタートだったエースのMF井上翔太(4年=東福岡高)を早々に投入。井上はパスでリズムをつくり、ペースを取り戻すが、なかなか決定機までつながらず、前半は0-1のまま折り返した。

 後半に入ると、阪南大がさらに圧力を強め、村山がサイドを切り裂き、チャンスをつくる。浜松大はボランチがDFラインに吸収され、実質5バックの状態になったが、ピッチ上で「外は破られても、中で抑えよう」という声が飛び交うなど守備の意識は統一されていた。

 必死にバイタルエリアを埋めたボランチのMF土田太陸(4年=東福岡高)は「90分間きつかった」と振り返ったが、粘り強く1点を守り抜いた浜松大が逃げ切り勝ち。05年大会以来の出場となった夏の大学日本一決定戦で、価値ある白星を獲得した。

 一方の阪南大はまさかの初戦敗退。FW泉澤仁(2年=新潟ユース)は「ペナルティーエリアに入るスピードが足りなかった」と悔やみ、須佐徹太郎監督は「1点を返せないようでは情けない」と不満顔。関西予選で優勝を果たし、地元主催の全国大会に関西王者として出場した阪南大だったが、昨冬の全日本大学選手権同様に、初戦で姿を消すことになってしまった。

[写真]勝利を喜ぶ浜松大の選手たち

(取材・文 関西学生サッカーPRESS ハヤシ ヒロヒサ)
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