beacon

被災地を訪問した小野&高原のゴールで逆転、清水が5戦負けなし

このエントリーをはてなブックマークに追加
[7.16 J1第5節 清水2-1新潟 アウスタ]

 清水エスパルスは数的優位を生かし、逆転勝利をおさめた。2試合ぶりの勝ち点3で5戦負けなし(3勝2分)。後半45分に劇的な決勝弾を決めたFW高原直泰は試合後のヒーローインタビューで「最高ー!」と思わず絶叫した。

 苦しい試合だった。中2日の清水に対し、相手は中5日。立ち上がりから出足の速さで新潟に上回れ、劣勢を強いられた。前半5分にCKから失点。その後も決定的なシュートをポストに救われるなどピンチの連続だった。前半のシュート数はわずか2本。流れが一変したのは後半10分のプレーだった。

 新潟DF鈴木大輔のパスミスを前線でインターセプトした高原がそのままPA内に切れ込む。切り返したところで鈴木に倒され、PKを獲得した。鈴木は決定的な得点機会を阻止したとして一発退場。このPKをMF小野伸二がゴール左隅にねじ込み、1-1の同点に追いついた。

 数的優位に立ち、ボール支配率を高めて相手を押し込む。一気に逆転を狙ったが、新潟の粘り強いディフェンスに阻まれ、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。後半38分、右SBにポジションを下げていたMF山本真希のクロスに左SBのDF太田宏介が頭で合わせるもゴール上へ。同44分には途中出場のFW高木俊幸が強烈な左足ミドルを狙ったが、GKの好セーブに阻まれた。

 このまま1-1で終了かと思われた後半45分、エースがその存在感を見せ付けた。FW大前元紀の右CKを逆サイドの高原が打点の高いヘディングシュート。下に叩き付けたボールはワンバウンドしてゴール右隅に吸い込まれた。高原の6試合ぶり今季6点目が劇的な決勝ゴールとなり、清水が土壇場で試合をひっくり返した。

「厳しい日程の中、チームのみんなで最後まで戦った結果、みんなで勝ち点3が取れてよかった」

 試合後も興奮を隠せない高原は「ほんと気持ちっす」と言った。負けられない理由があった。高原、小野はゴトビ監督とともに前節・仙台戦(ユアスタ)翌日の14日に東日本大震災の被災地を訪問。岩手県山田町を訪れ、現地の中学校、高校のサッカー部員ら子供たちと直接触れ合った。

「被災地を訪れて、厳しい環境で頑張って生活している子供たちを見て、絶対に負けられないと思っていた。みんなで勝ち点3を取れて、本当によかった」。被災地を訪れ、逆に元気や勇気をもらったという高原と小野のゴールで見事な逆転勝利を飾った。

 17試合を消化し、シーズンも折り返した。清水は7勝6分4敗の勝ち点27。今季から就任したゴトビ監督は「今日の勝利は大きな勝利。前半戦で27点(勝ち点)を挙げたが、これからもっと勝ち点を積み重ねていける。我々の目標であるリーグのトップに向かっていきたい」と、まだまだチームが発展途上であることを強調していた。

TOP