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東京Vは13試合ぶりの無得点、河野「あまりいい試合が出来なかった」

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[8.21 J2第25節 東京V0-2鳥栖 味スタ]
 東京ヴェルディは勝てば順位をひっくり返し、上位戦線に食い込むチャンスだったが、ホームで痛い0-2完封負け。13試合ぶりに無得点という悔しい結果に終わった。順位は8位と変わらなかったが、勝ち点は29で、J1昇格圏内の3位・栃木に11差を付けられた。MF河野広貴は「大事な試合だと試合前から監督も言っていた。あまりいい試合が出来なかった」と悔しがった。
 勝ち点差1でひとつ上の順位の鳥栖との対戦。リーグNO・1の38得点を誇る東京Vの攻撃力と、リーグNO・2の失点数の少なさを誇る鳥栖の守備力という構図だったが、出鼻から東京Vが不利となった。試合前から雨が降り始め、もともと悪い状態のピッチがさらに荒れた。パスワーク、ドリブルを得意とする東京Vには不利な状況に。その上、ボランチに入った背番号「10」菊岡拓朗が接触プレーで右手を負傷し、前半26分にMF小林祐希と交代。完全にゲームプランが崩れた。
 最初の失点シーンはもったいなかった。前半11分の失点は、サイドからのクロスで、相手の右SBの丹羽竜平に決められたが、サイドの選手が丹羽の攻め上がりをうまく掴んでいれば、防げた可能性があるもの。後半15分の2失点目は、ミドルシュートが相手に当たってコースが変わったものと不運な面があるが、とにかくどちらも、DFラインを崩されての失点ではないだけに、悔やまれる。
 結果は0-2。5月29日の鳥取戦(0-0△)以来、13試合ぶりの無得点となった。リーグNO・1の攻撃陣がゴールを割れなかったことについて、GK柴崎貴広は「もう少し、みんなで攻撃しても良かった。個人の攻撃が多かった。サイドに誰か出たら、誰かが中に入ったりとか、ダイナミックな攻撃が出来なかった」と反省点を口にした。
 河野は「セカンドボールを相手に拾われてしまった。いつもよりピッチが濡れてるんで、(東京Vも)つなぐよりも蹴ることのほうが多くなった。それに周りの判断にズレがあった。前線が(縦パスが来ると)走っても、後ろがつないだり……」とパスをつなぐ場面と、縦パスを使う場面の使い分けにおいて、チームの意思統一ができていなかった点を課題に挙げた。
「きょうはもう終わってしまったこと。しょうがない。切り替えてやっていくしない」と河野は前を向いた。たしかにまだ試合は残されており、巻き返しのチャンスはある。この日は登録の関係で間に合わなかったが、元日本代表FW巻誠一郎も加入した。攻撃の幅は確実に広がる。これからも自慢の攻撃サッカーで上位進出を狙う。
(取材・文 近藤安弘)

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