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今季急成長の20歳・原口がA代表初選出

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 ザッケローニのハートをとうとう射抜いた。24日の広島戦で“御前ゴール”を決めるなど、今季ここまで8得点と急成長のFW原口元気(浦和)が、日本代表初選出を果たした。

 昨年12月の日本代表合宿サポートメンバー、そして今年8月の日本代表候補合宿に選ばれるなど、指揮官の視線を間近に感じながら浦和で結果を残してきたアタッカーが、W杯アジア3次予選という大事な公式戦で初めて代表入りを果たした。

 指揮官は「原口は左サイドから中へ切れ込んでシュートを打つのが得意で、攻守ともにやりながらゴールを決められる。スピードに乗った中での高い技術が特長だ」と説明した上で、「1年間を通じて見ているが、今季は急成長しているし、積極的になっている。継続していいパフォーマンスを見せている」と、Jでコンスタントに力を発揮している点を高く評価した。

「A代表は常に目標にしている」と話している原口にとって、夢にまで見た舞台。だが、8月の札幌合宿の際は右足首負傷の影響で練習には参加せず、別メニューで練習を見ていただけだった。今回発表されたのは23人だが、予選では18人のベンチ入りとなる見込みであるだけに、まずは合宿でいかにアピールできるか。また、ピッチ内でのプレーに加えてザッケローニ監督は「代表候補としての振る舞い」「グループ内で和を乱さない」ということも評価の対象にしている。

 指揮官は「若い選手が入ることでチームはフレッシュになる。そのことで新陳代謝が起こることにも期待している」と語った。チームの活性化にも一役買うことを期待されている最年少の20歳は、3月のチャリティーマッチでは、年上ばかりのJリーグ選抜チームで「最初は怖くて何も話せなかった。どうしたらいいのか分からなかった」と話していたシャイな性格の持ち主だが、ここまで来たからにはそんなことは言ってられない。

 勝手知ったる埼玉での合宿でいかに自分を出していけるか。まずは埼玉スタジアムでの北朝鮮戦に向けて、勝負が始まる。

(取材・文 矢内由美子)

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