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日本代表メンバー発表、ザッケローニ監督会見要旨

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 日本サッカー協会は25日、W杯アジア3次予選・北朝鮮戦(9月2日、埼玉)、ウズベキスタン戦(9月6日、タシケント)に出場する日本代表メンバー23人を発表した。
以下、ザッケローニ監督の会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「私の仕事はこのチームをW杯に連れていくことだと思っている。昨年のW杯や今年1月のアジア杯優勝など最近の好成績もあり、他の国は対日本という高い意識でやってくると自負している。自分たちの立場は理解しているし、国民、サポーターの期待が大きいことも理解している。選手には、その期待に応えられるようにバランスと勇気を持って試合に臨んでほしいと思っている。これまで積み上げてきたものを予選では出していくつもりだ。公式戦はアジア杯を最後にやっていないので、公式戦ができることも私にとっては大切。パーソナリティーを持って、バランスを保って、積極的に攻めていくサッカーができればと思う。この1年でチームとしての自信、選手間の距離感、スピードとプレーの精度は上がってきていると思う。チームとしていい準備ができている。プレッシャーはかかってくると思うが、逆にそのプレッシャーをモチベーションに変えていければと思っている」

―中村憲剛を招集した理由は?
「私と私のスタッフ全員でJリーグのすべての試合を把握している。中村は体調を崩していた時期もあったが、その後復帰して、クォリティーの高いものを見せている。代表復帰に値すると思ったのが理由。真のプロ選手で、フィジカル面でもメンタル面でもいい状態でいる。グループ内での協調性もある。代表チームに来て当然。年齢に関係なく、代表チームの門戸は全員に開かれている」

―五輪世代から原口を招集したが?
「現在と未来を考えたとき、原口はいいものを持っているし、Jリーグでも継続的にプレーしている。彼のクォリティーを見て、A代表に呼ばれる準備ができてきたかなと思い、招集した」

―ボランチで中村憲剛や阿部を招集したのはW杯予選に向けて経験値を重視したからか?
「若いチームに経験豊富な選手がうまく融合しているイメージを持っている。中村が入った一方、原口という若い選手も入った。そういう意味で年齢のバランスは取れていると思う。ピッチ上でいいものを見せれば、いつでも代表チームに入れるというメッセージも読み取れると思う。家長や松井といった前回招集したのに今回は呼ばれていない選手もいるが、彼らの能力は把握しているし、常に注目して見ている。今回の結果に左右されず、ピッチ上でいいものを見せてほしい」

―長友は練習には合流しているが、招集しなかったのは万全ではないという認識からか?
「練習を再開したというのは把握しているが、クラブで試合に出ていないし、完全に回復したとは言えない。練習に復帰して、試合に出てこそ回復したと位置付けられると思う」

―原口にはどんなプレーを見せてほしいと思っているか?
「8月1日からの候補合宿にも参加したが、ケガをしていたため、別メニューでプレーを見ることはできなかった。ただ、1年間継続して見てきて、今年に入って非常に伸びてきているし、積極性を持ったプレー、プレーの継続性が出てきている。スピードの中での高いテクニックが彼の能力。そういうところを見せてほしい。チームでの振る舞いを含めて、こういうチャンスを生かしてもらって、経験、技術、戦術面を伸ばすいいチャンスにしてほしい。すべての若い選手に言えることだが、若い選手が代表に入ることでチームはフレッシュになるし、いい新陳代謝が生まれると思うので、彼にもそういう期待をしている」

―五輪世代から清武、原口が入ったが、この人数は妥当か? それとも物足りないか?
「一概には言えないが、若い選手をA代表に連れていく決断に迷いはない。Jリーグでも海外でも若くて活躍している選手はいる。その活躍次第でA代表にどんどん招集される事実は今後もあると思う。日本サッカーの育成組織、Jリーグの下部組織、大学以下のカテゴリーで素晴らしい仕事をしている。若くて素晴らしい選手がどんどん輩出されるのは当たり前だと思う。育成機関の人が素晴らしい仕事をされているからだと思う」

―中村憲剛に期待する部分は?
「リーグ戦の戦いぶり、ピッチ上の結果が彼を代表チームに戻した。理由はそこだけ。中村は高いクォリティーを持っているし、経験も豊富。パスの精度も高く、グループの輪も乱さない。そして30歳にしても向上心を常に持ち続けている。そういうところに期待したい」

―原口はどういうプレースタイルの選手だと認識しているか?
「原口は攻守ともに貢献できる選手。右利きで、左サイドから中に切れ込んでいくプレーを得意としている。攻守をきっちりやりながらゴール数も多い。スピードに乗った中での技術の高さが彼のいいところだと思う」

―原技術委員長によると、監督の要望も受けて10月7日の強化試合の相手がベトナムに決まったようだが?
「大まかなレベル、こういったレベルの国とやりたいというのは伝えた。相手が強ければ強いほど成長できると思うが、時には自分たちのことに目を向けるのも大切で、自分たちのことを考えられる試合をやってもいい。チームのメンテナンス、バランスに目を向けていくことも大事。ブラジルやアルゼンチンとやるとなると、どうしても結果に目がいく。今回はそうではない相手を希望した。親善試合、ベトナムだから過小評価しているわけではない。ベトナムはW杯アジア2次予選でもカタールを苦しめている。ただ、今回は自分たちのことに目を向ける試合にすることがベストだと思った」

(取材・文 西山紘平)

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