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デビュー戦でクロスバー直撃のシュート、ハーフナー「持ってないです」

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[9.2 W杯アジア3次予選 日本1-0北朝鮮 埼玉]

 194cmの大型ストライカーが、ついにベールを脱いだ。前日1日の追加招集でA代表に初選出されたFWハーフナー・マイクが後半25分から出場。FW李忠成に代わって1トップに入り、A代表デビューを飾った。

 喜び半分、悔しさ半分だった。「思ったより緊張しなかった」というデビュー戦。ロスタイムを含めた25分間の出場でシュート3本を放った。後半28分、DF内田篤人のアーリークロスから長身を生かしたヘディングシュートで代表初シュート。すると、直後に決定機が訪れた。

 後半29分、ドリブルで仕掛けたMF長谷部誠が横パス。FW香川真司は前に入り過ぎて触れなかったが、ボールはハーフナーの目の前に流れてきた。右足ダイレクトで狙ったシュートは、しかしクロスバーを直撃。絶好の先制機を逃した。

「スタンドのビジョンで(リプレーを)見て、もっと冷静に打てばよかったと思った。後ろに(DFが)来てるかなと思って……」。完全にフリーの状態だっただけに後悔が頭をよぎった。結局、代表初ゴールはお預け。デビュー戦でヒーローになるチャンスを逃し、「持ってないです」と苦笑いした。

 それでも持ち味は発揮した。今までのザックジャパンにはいなかった長身FWを生かそうと、終盤はパワープレーを展開。北朝鮮を自陣にくぎ付けにし、後半ロスタイムには立て続けにCKを獲得した。そして、DF吉田麻也の劇弾。ハーフナーが加わったことによって攻撃の圧力が増し、決勝点につながった。

「(監督からは)相手を混乱させるように、相手がめんどくさいと思うプレーをしてこいと言われた。そこはうまくいった。自分の武器は生かせたかなと思う。競り合いにもほとんど勝てたし」。ミックスゾーンで報道陣の質問に答えていると、会見を終えて通りかかったザッケローニ監督に肩をポンと叩かれた。指揮官の無言のゲキ?に思わず苦笑いを浮かべたハーフナー。「また出番があれば、次はしっかりゴールを決めたい」と表情を引き締めていた。

(取材・文 西山紘平)

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