beacon

日本vs北朝鮮 試合後の選手コメント

このエントリーをはてなブックマークに追加
[9.2 W杯アジア3次予選 日本1-0北朝鮮 埼玉]

 日本代表は2日、埼玉スタジアムで北朝鮮代表と対戦し、1-0で競り勝った。0-0で迎えた後半49分にDF吉田麻也(VVV)が劇的な決勝点。W杯アジア3次予選初戦で勝ち点3を手にし、14年のブラジルW杯へ白星スタートを切った。
以下、試合後の選手コメント

●FW香川真司(ドルトムント)
「簡単に勝てる相手などいないということを、あらためて痛感した。今日は勝ちたかったのでなんとしてでも最後まであきらめないでやることを考えた」
―清武といい距離感だったが?
「あいつ(清武)はポジショニングが良くて、ボールを受けるところや出すところの感覚が自分に似ているのでやりやすい。運動量も豊富だし」

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
「いろんなバリエーションを出せればよかったけど、暑さもあったし、迫力ある攻撃には欠けていたと思う。後半、パワープレーになってからは出たけど、最初から出せないといけない」
―ハーフナーが入ったパターンは練習していた?
「練習はしていないけど、マイクが入ったらどうするというのはイメージできていたと思う。パワープレーになるのがちょっと早かったかなとも思う。やろうとしているサッカーはできていた。精度を上げないといけない」
―後半は長谷部がどんどん前に仕掛けていったが?
「前半は相手がガツガツ来て、こっちにもミスが出た。しっかりビルドアップできればよかった。(香川)真司のところで前を向けていたけど、そこからどう仕掛けるかが必要だった。初戦というのもあって、全体的に足りないところがあったっと思う」
―香川がトップ下に入ってリズムが出た?
「清武とかマイクが入って、動きも出た。真司が中に入ったからというより、前半から中に入り気味だった。相手が少なくなってからは放り込むだけになった。サイドで数的優位をつくってクロスを上げた方がチャンスになったと思う」

●FW清武弘嗣(C大阪)
「しっかり勝ったことは次につながる。ただ、一つひとつのことをしっかりとやらないと苦しい試合になる。崩せてもしっかりと決めないといけない」
―初めてのW杯予選だったが?
「いい緊張感の中でやれた。1点取らないと厳しい試合になる」
―決勝点のクロスは吉田選手を狙った?
「密集に蹴っておけば何か起こると思った」
―緊張はなかった?
「日韓戦よりも緊張しなかった」
―無得点は反省点?
「決められなかったことは自分の実力不足。GKに弾かれたシュートのときにまだチャンスはあると思っていた。でもゴールを決められないでいると苦しくなる。次は決めたい」

●FWハーフナー・マイク(甲府)
―A代表デビューとなったが?
「思ったより緊張しなかった」
―監督からの指示は?
「『頑張ってこい』と。相手を混乱させるように、相手がめんどくさいと思うプレーをしてこいと言われた。そこはうまくいった」
―クロスバー直撃のシュートもあった。
「スタンドのビジョンで(リプレーを)見て、もっと冷静に打てばよかったと思った。後ろに(DFが)来てるかなと思って……」
―決めていればヒーローだった?
「持ってないです(苦笑)。でも自分の武器は生かせたかなと思う」
―自分が入ることでロングボールのスイッチになった?
「最初はつないで、時間がなくなってからは中に入れようと。競り合いはほとんど勝てていたし。また出番があれば、次はしっかりゴールを決めたい」
―先発で出たい気持ちが強くなった?
「個人的にもっとレベルを上げないといけない。判断も遅いし、技術も劣っている」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
「苦しい戦いになるかは自分たち次第かなと思っていた。前半に点を取れなかったことで苦しい試合になった」
―それでも最後に点を取った。
「もちろん、結果としてはよかった。自分たちの攻撃がジャブとなって、最後に結果に結び付いたのは運ではない。この結果は必然と捉えて、次に向けてやっていきたい」
―ハーフタイムにはどんな話を?
「とにかく続けていこうと。それと、前半はちょっと最後のところの迫力が足りなかった。後半は前に前にボールを運んで、強引にプレーしようかなと。パスばかりでは止められる。自分が突っかけて、強引にドリブルでと思った」
―ロスタイムに入ったときの心境は?
「苦しい状況だったけど、ロスタイムを含めた最後の10分は完全にうちの方がたくさんのチャンスをつくっていた。いつ点が入ってもおかしくない状況だったし、信じてプレーした」
―最後はショートコーナーから点を取った。
「直接上げても、中で勝ててなかった。試合前からショートコーナーをたくさんやろうと話していたし、最後は清武がいいボールを入れてくれた」
―吉田はアジア杯の初戦でもロスタイムにゴールを決めた。持っているなと思った?
「持ってる、持ってないというより、苦しいところで点を入れてくれるのはうれしいし、彼にとっても自信になるゴールだと思う。調子には乗らないようにしたい(笑)」
―W杯予選の厳しさをあらためて感じた?
「若い選手、予選を経験していない選手も多い。初戦の大事さは感じていたし、勝ちと引き分けでは精神的に違った。いい意味で、次の試合も余裕を持ってプレーできると思う」
―これからも後半のようなプレーを続ける?
「アジアレベルというか、こういうブロックをつくった相手には強引にドリブルで仕掛けていかないと、なかなかこじ開けられない。パスサッカーをして、悪い意味で酔っちゃっている部分もある。時には強引にプレーしないと点は取れない。きれいなサッカーにこだわると、足元をすくわれる」

●MF柏木陽介(浦和)
「何もできなかった。悔しい限り。でも自分で足りない部分が分かったし、また成長したいと思った」
―足りない部分とは?
「いろいろ。ただ、今日は悪かったかというと、メッチャ悪いとは思わないけど、良かったかというとそうではない。自分的に満足はいっていないというところ」
―相手の守備は想定内だったのでは?
「思っていた以上に狭くてスペースがなかったし、裏に抜けるスペースもなかった。それでも前半ゼロでもいいのかなというのはチームの中であったのだけど。最後に(吉田)麻也が決めてくれて勝てて良かった。やっぱり自分が出た試合で勝ったというのは大きい。最後はメッチャ、ホッとした。やっぱりチームなので、チームとして勝てたことが一番うれしかった」
―先発はいつ言われたのか?
「今日のミーティングで。昨日までは全然分からなかった。意外に緊張したけど、普通に楽しもうと思ったし、シンプルなミスをすることはなかった」
―トップ下で、もっとできたと思うのでは?
「チーム(浦和)でトップ下をやっていないというのもあるけど、例えば(香川)真司はあそこで受けてターンするのがうまい。あそこでターンして前を向いて、すぐにスルーパスを出すようなプレーが必要だと思う。今日は怖がってしまった部分があった」
―本田圭佑が離脱しての先発だったが?
「俺はホンディーみたいなことはできない。真司たちにも『俺はタメをつくれへんと思う。けど、みんなに合わせて動こうと思う』という話をしていた。その中で、パスやコンビネーションには自信があった」
―シュートを2本放った。
「右足にころがってきたというのがあったけど、右足でも決めているし、いいイメージだったのだが。今日は満員の中でやれて、違う雰囲気を感じた。チームでも勝って満員のところで試合ができるようにしないといけないと思った」
―すぐにウズベキスタン戦がある。
「前にアウェーで戦ったとき(09年6月)も難しかったとみんな話している。厳しい戦いになると思うけど、またしっかり準備したい」

●MF遠藤保仁(G大阪)
「勝ったのでよかった。相手が引いてくるのは分かっていた。前半に1点取って楽にしなければいけない。でもここまで入らないとは思っていなかった。フィニッシュの部分はあらためて課題が出た。上というか、パワープレーの練習はしていない。できたら下で崩したい。下で崩すのがこのチームの特徴。いろんなボール回しで崩したいし、そういうのを増やしたい」
―0-0でロスタイムに入っても落ち着いていた?
「相手が10人になったのもあるし、最後まであきらめない気持ちを持って、繰り返しやっていた。集中を切らさず、やれたと思う」
―あらためて予選の厳しさを感じた?
「結果的に予選の難しさを僕自身も肌で感じたし、今日初めての選手もいた。勝ち点3を取ったから言えることだけど、5、6点取って勝つより、何が起こるか分からないということが分かったのはいい経験になったと思う。次はアウェーで、今日より厳しい試合が待っている。次も勝って、その難しさを肌で感じたい」

●DF吉田麻也(VVV)
―劇的な決勝点となったが?
「立て続けにセットプレーが続いて、マークがルーズになっていた」
―アジア杯のヨルダン戦に続いてロスタイムのゴールとなったが?
「逆に追い込まれないと得点力を出せないのは僕の中の課題(苦笑)。(VVV)フェンロでも1点も取ってないし、久しぶりに取れてよかった」
―シュートは完全にフリーだった?
「その前からショートコーナーでマークがズレていたし、立て続けのCKで相手はボールウォッチャーになっていた。ニアに行かず、あえて真ん中で待っていた」
―パフォーマンスは考えなかった?
「点を取ってパフォーマンスをしようと思ったら、槙野が来るのが早すぎて何もできなかった(笑)」
―守備でも完封した。
「ゼロで抑えられたし、テセさん(鄭大世)のところを抑えておけばよかった。初戦で勝ち点3を取れてよかった。次につながると思う」
―鄭大世は「あいつにだけはやられたくなかった」と言っていたが?
「相当悔しがってましたね(笑)。でもアウェー戦もある。もう一回、戦わないといけないから」
―鄭大世対策はどう考えていた?
「スペースを与えないことを意識した。前を向いたらゴリゴリ来る。後ろ向きのときに僕と今ちゃん(今野)でなるだけ詰めようと。フリーにさせたのは1、2回ぐらいだと思う。北朝鮮は思ったよりテセさん頼みだったし、そこさえ抑えればと思っていた」

●DF駒野友一(磐田)
「ウズベキスタンは引いてくる相手ではなく、攻撃してくるチーム。今回と違うサッカーになると思う。相手が嫌なくらいに動いて、受けられればいい」

●DF今野泰幸(F東京)
「あれだけでピンチをつくられたくない。あのロングボールだけですから。あれでチャンスをつくられたくはなかった」
―後半11分から(長身のパク・クァンリョンが投入されてきたが?
「ボランチの1枚に競ってもらって、例えばそこでわざと負けてもらってもいい。(その後方で北朝鮮は鄭大世だけだから)オレと(吉田)麻也と2対1でやれば勝てると思っていた」

●DF内田篤人(シャルケ04)
―終盤まで無得点だったが?
「相手が高校生でも大学生でも、しっかり守られたらいくらJリーガーでも取れない。(終盤のセットプレーでは)多分みんな行くと思っていた。だから前の選手に任せて。自分は入りすぎることなく、こぼれ球を狙っていた」

●GK川島永嗣(リールス)
―プレー機会が少なかったが?
「限られたプレーの中でしっかりとプレーすることが大事。それが勝利につながればと思う」
―天候やアウェー戦など厳しい戦いが続くが?
「予選なので次も勝ち点を取れるようにしっかりやりたい」

●FW原口元気(浦和)
「出たいという気持ちが強くなった。最初は選ばれてうれしかったけど、ああいう雰囲気の中でやっているのを見ちゃうと、どんどん欲が出てくる。次は出るようにして点に絡むことが目標になった。その気持ちが余計強くなった。悔しいけど、切り替えて、次にチャンスがもしあれば頑張りたいです」
―個の力で打開するのが有効な相手であるように見えたが?
「サイドに張ってドリブルというシーンがあまりなかったので、自分が出たらそれをやろうかなと思っていた。その方が自分の特徴が出るかなと思って。真ん中はガチガチだったから、サイドから中に入っていったらチャンスになると思っていた。頭の中でのイメージに終わってしまったけど」
―代表戦の埼スタは違う雰囲気?
「違いますね。余計に出たくなったというか。でもポジティブに捉えて、もっと良くなればあそこで出られるということなので、もっと頑張ろうと思った。次もあるので、練習で全力でやります」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子、吉田太郎)

▼関連リンク
ブラジルW杯アジア3次予選特集

TOP