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F東京は10試合ぶりの黒星。今野不在の守備陣は8試合ぶりの失点で「動揺があったかもしれない」

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[10.26 J2第7節 F東京1-2大分 国立]

 FC東京は下位の大分を相手に1-2の逆転負けで、8月28日の富山戦(0-1)以来となる10試合ぶりの黒星を喫した。日本代表DF今野泰幸を出場停止で欠いた影響が出たのか、前半22分にオウンゴールで先制しながらも、前半46分と後半49分の“Wのロスタイム失点”。2試合連続白星なしで、J1復帰に向けて足踏みする形となった。

「股を抜かれたので悔しいです。あのシーン以外は、全部、一人多い状態で守れていた。1対1で仕方ない? 股を抜かれたのは、正直まずい。反省しないといけない。FC東京は疲れたのか、と思われると悔しいです」

 日本代表GK権田修一は悔しい表情で“悪夢”を振り返った。後半ロスタイムも最後の49分、F東京から見て左サイドをFW森島康仁に持ち込まれてラストパスを通され、最後はMF長谷川博一に1対1から股を射抜かれた。2失点ともロスタイムの失点。今野不在が大事な時間での失点につながったのか? と問われると、「関係ないです。今野さんは日本を代表するCBですけど、今野さんがいないから負けたでは、だめ」と言い切った。

 この日は今野が出場停止のため、普段は右SBの徳永悠平がCBに入り、DF森重真人とのコンビで守った。徳永は元日本代表で、CBもこなせる器用な選手。立ち上がりから特別、大きな破たんはなかった。前半ロスタイムに失点したが、あれは決めたFW前田俊介のシュートが素晴らしすぎたといえる。

 しかし、この失点。F東京にとっては9月10日の京都戦(6-1)以来、実にリーグ戦8試合ぶりの失点だった。元日本代表MF羽生直剛によると「失点が久しぶりで、落ち着かなかったというか、ある程度、動揺があったかもしれない」という。前節の鳥栖戦が0-0ドローで、2戦連続の勝利なしを避けたかったF東京イレブン。後半は“勝たなくてはいけない”という焦りが生まれた。攻め込みながらもゴールが奪えず、負のスパイラルに陥った。

 大熊清監督は「1失点目のとこで、相手が息を吹き返した。(その後は)焦りから少し、攻撃のところで早く行き過ぎて、ボールの取られ方が悪くなった」と攻め急いだ点を反省し、「焦りやボールの取られ方は、選手の選び方も含めてもう一回、チームとして確認し、メンバー選考も再考しなければいけない点もある」と流れを変えるべく、スタメン選手の入れ替えを示唆した。

 ただ、まだ勝ち点64で、2位の鳥栖に4差をつけて首位をキープしている。残り6試合しかないが、焦る必要はない。権田によると、この日の敗戦後のロッカールームでは選手たちが口々に失点の場面について反省していた。「みんな、もっとこうすればよかった、という声が出ていた。今までならどこか、人のせいにするところはあったけど、そうではなかった」。権田はここに、チームの成長を感じ取ったという。次節は東京Vとのダービー。この敗戦を肥しに、ライバルを倒し、再びJ1復帰へアクセルを全開にする。

(取材・文 近藤安弘)

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