[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 第90回全国高校選手権神奈川県大会準決勝 桐光学園1-0座間 等々力]

　桐光学園決勝進出の立て役者は、公式戦初先発の2年生GKだった。この日は3年生守護神・山下耕司が大学受験のため不在。だが、試合前に佐熊裕和監督が不安を口にしなかったように代役として先発したGK北村征也(2年)が期待に応える。

　ファーストプレーとなった左クロス。これを鋭い飛び出しからはじき出すと波に乗った。ディフェンスラインとのコミュニケーションに課題を残し、相手のロングボールに押し込まれたがそれでも「自分の武器はシュートストップ。それ以外はあまりない」と分析する2年生は、集中した守りでゴールを許さない。特に後半は16分にゴール至近距離から放たれたCB平野達也(3年)の決定的な右足シュートを身体全体でストップすると、試合終了間際に頭上へ放たれたMF佐藤博紀(3年)のシュートもワンハンドでゴールの外へはじき出した。

　試合前日には山下から「オマエだったら練習どおりやればやれる」とアドバイスされていた。そして北村は「練習どおりにやれたと思います」。山下が復帰する決勝で出番があるかどうかは分からない。ただ「いい経験ができた。次はもっとできるように練習する」とヒーローは冷静に語っていた。

(取材・文　吉田太郎)

---

▼関連リンク
【特設】高校選手権2011