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F東京、水戸に勝利し来季のJ1復帰に“当確ランプ”灯す

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[11.12 J2第35節 F東京2-0水戸 味スタ]

 J2の第35節が12日に各地で行われ、味の素スタジアムでは首位のFC東京と15位の水戸ホーリーホックが対戦した。F東京は主力CB2選手を欠いたが、2-0で勝利。勝ち点を71に伸ばし、残り3試合で3位の徳島とは勝ち点差を9とした。J1昇格“決定”は次節19日の鳥取戦(アウェー)に持ち越しとなったが、徳島との得失点差は25。この日の勝利で来季のJ1復帰に“当確ランプ”を灯した。

 F東京は日本代表でDF今野泰幸が不在。またDF森重真人が出場停止とレギュラーCB2人を欠いた。システムは4-5-1でGKは権田修一、DFラインは右から中村北斗、徳永悠平、ジェイド・ノース、椋原健太。ダブルボランチは高橋秀人と梶山陽平が組み、2列目は右に石川直宏、左に谷澤達也、トップ下に羽生直剛が入った。1トップはルーカスが務めた。

 対する水戸はMF島田祐輝が出場停止で、元日本代表FW鈴木隆行はベンチスタートだった。システムは4-4-2でGKは本間幸司、DFラインは右から西岡謙太、加藤広樹、塩谷司、尾本敬。ダブルボランチは村田翔と ロメロ・フランクが組み、右MFは小池純輝、左MFは小澤司が入った。2トップは遠藤敬佑と岡本達也が組んだ。

 午後4時のキックオフだったF東京は、午後1時のキックオフだった2位鳥栖、3位徳島、4位札幌の結果次第(詳細はコチラ)で、水戸から勝ち点3を奪えばJ1復帰が決まる状況だったが、条件を満たさなかったため、試合前からこの日のJ1復帰はお預けとなっていた。

 そんな状況下で迎えた一戦。立ち上がり、水戸が続けてチャンスを作った。前半5分、ゴール前でパスをつなぎ、最後は小澤のパスから遠藤がPA内右から右足シュート。これは左に外れたが、同12分に再び好機を作る。尾本が左サイドを仕掛けてグラウンダークロスを入れ、PA正面付近から小池が右足シュート。強烈だったため、GK権田はキャッチしきれなかったが、自ら上に弾いたボールを再びキャッチ。惜しくも水戸にゴールは生まれなかった。

 水戸の出足の鋭いプレスに苦しんでいたF東京だったが、徐々に主導権を奪い返す。前半14分、右サイドから中村がクロスを入れ、羽生の落としから梶山が右足で低く速いシュート。これをGK本間が弾き、こぼれ球を谷澤が詰めようとしたが、オフサイドの判定を取られた。

 その後もF東京が好機作る。前半17分、中村がPA右付近を仕掛けて折り返し、谷澤が右足シュート。しかし、これは上に外れた。同27分には右サイドからの谷澤のクロスに、ルーカスが右足でシュートを放ったが、GK本間に弾かれた。本間はキャッチしきれず、ボールは前にこぼれたが、F東京は詰められなかった。

 F東京はその後もボールを支配し、パスワークとドリブルで崩そうとしたが、水戸が全員で少し引き、かつコンパクトに守ったため、バイタルエリアをうまく仕掛けられなかった。前半の終盤も同様の展開が続き、結局0-0のスコアレスで後半に突入した。

 後半、両チームともメンバー変更なくスタートした。序盤から積極的にプレスをかけたF東京が先制に成功した。後半4分、右CKのチャンスを得ると、石川直宏のキックに高橋秀人が飛び込みヘディングシュート。うまく叩きつけた一撃はゴール左に転がり、1-0のリードを奪った。

 後半9分、F東京は好機を作る。左サイドの深い位置でジェイド・ノースが粘って羽生、椋原とつなぎ、最後はPA内中央で石川が右足ダイレクトシュート。しかしこれはGK本間にセーブされた。同12分には中央やや右サイドのFKを獲得。石川の速いボールに梶山が頭で少しコースを変えたが、GK本間がセーブした。

 何とか流れを変えたい水戸は、後半14分に2トップを代えた。岡本に代えてFW鈴木隆行、遠藤に代えてFW常盤聡を投入した。対するF東京は同23分、羽生に代えてFWロベルト・セザーを投入。前線をセザーの1トップ+ルーカスのトップ下という組み合わせに変えた。またこの時間帯、2列目は主に左を石川、右を谷澤に入れ替えた。

 後半33分、F東京が追加点のチャンスを作った。縦パスにセザーが快足を活かして抜け出しドリブル突進。マークに遭いながらもPA内右に進入し、右足でシュートを放った。グラウンダーのシュートはわずかに左に外れた。しかし、その1分後、ロベルト・セザーが2-0とするゴールを決めた。

 右サイドでルーカスの浮き球パスに抜け出し、DF2人にマークされながらもPA右付近で右足ダイレクトシュート。豪快にゴールネット左に突き刺し、今季通算10得点と大台に乗せた。セザーは後半36分に再び同じように縦パスに抜け出しシュートまで行ったが、これは決められなかった。

 水戸は後半37分、村田に代えてDF岡田佑樹を投入。守備面の向上を狙った。対するF東京はその1分後、石川に代えてMF田邉草民を入れた。その後もF東京が支配する時間が続くが、水戸は必死に守って追加点は与えなかった。しかし、同40分、水戸はロメロ・フランクが2枚目の警告を受けて退場と、さらに苦しい状況となった。同45分、F東京はルーカスに代えてMF上里一将を投入し逃げ切りに入った。試合はそのまま2-0でF東京が勝利した。

(取材・文 近藤安弘)

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