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柱谷監督、球際の負けに怒り。「このままガンバ戦に行くと、ボコボコにされてしまう」

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[11.12 J2第35節 F東京2-0水戸 味スタ]
 水戸ホーリーホックは悔しい敗戦となった。前半は徹底したプレスとブロックを作った組織的守備で無失点に抑えたが、F東京がペースを上げてきた後半は圧倒的に支配されて2失点。個人技の差といえばそれまでだが、特に後半4分の先制点は、セットプレーからだっただけに悔やまれる。
 柱谷哲二監督は「終始、FC東京のゲームだった。力の差を凄く感じた。我々の選手は走って本当によく頑張ってくれました。でも、やっぱり力はFC東京のほうが上だった。我々が下手だったわけではなく、FC東京のほうが上手かった。我々は、目一杯やった結果、0に終わったことは仕方ない」と相手を賞賛するしかなかった。
 この日はエースの元日本代表FW鈴木隆行がベンチスタートだった。「この前のゲームで足を痛めてしまって、90分は無理だろうという判断だった。接戦に持ち込んで、残り30分から入れて勝負をかけた」と柱谷監督。後半14分から投入し、たしかに流れは少し良くなった。「起点もできて前への推進力が増した。ポイントができたことによって前へ前へということができた」。
 しかし、シュート数はF東京の16本に対し、5本のみ。ゴールをこじ開けることはできなかった。水戸はここ3試合2勝1分と調子は良かったが、4試合ぶりの黒星となった。柱谷監督は、敗戦理由についてF東京の個人能力の高さを挙げつつも、水戸の選手が球際で闘えなかったことに怒りを顕にした。
「今日、試合が終わって選手に1つだけネガティブなことを言いました。それは球際はどうだったのか? ということです。このまま天皇杯のガンバ戦に行くと、ボコボコにされてしまうぞとも伝えました。どんなに組織(的な守備)を作ったとしても、球際のところで負けてしまっては意味がない。何のために、筋トレをしているのか……」と闘将は会見で訴えた。
 水戸は16日の天皇杯でJ屈指の強豪のG大阪と対戦する。いくらJ1が相手といえども、恥ずかしい試合はできない。それだけに、選手に厳しい言葉も投げかけた。「サッカーボールはピッチには1つしかない。そこで相手にボールを持たれるか、我々が持つかで大きく流れが変わる」。技術で勝てないなら、気持ちでは勝て-。現役時代、気迫で相手を圧倒してきた指揮官だけに、改めて闘争心の大切さを説いた。
(取材・文 近藤安弘)

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