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3位終戦も退任指揮官へ白星送る!G大阪は西野監督を胴上げ

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[12.3 J1第34節 清水1-3G大阪 アウスタ]

 3日、J1最終節が各地で行われ、逆転優勝の可能性を残した3位・ガンバ大阪はアウェー、アウトソーシングスタジアム日本平で清水エスパルスと対戦。FWイ・グノの2得点とMF二川孝広のゴールによって3-1で勝ったG大阪は10年間指揮を執った西野朗監督のラストゲームを白星で飾ったが、首位・柏と2位の名古屋がともに勝ち点3を加えたため、3位で全日程を終了した。

 ハーフタイム、青に染まったバックスタンドから「ミラクル、ガンバ!」の大連呼。それに呼応するように勝利を収めたG大阪は後半も加点して逆転優勝のためへの最低限の結果を残したが、優勝には手が届かなかった。

 試合はホームの清水が4-3-3、G大阪が4-4-2システムでスタート。清水はGKが山本海人、4バックは右から辻尾真二、岩下敬輔、ボスナー、太田宏介。中盤はカルフィン・ヨン・ア・ピンを中央に、右が枝村、左がアレックスの構成で、3トップは右から大前元紀、高原直泰、そして5月28日以来の先発となる伊藤翔が並んだ。

 首位・柏との勝ち点2差をひっくり返すために勝つしかないG大阪は、右ひざ負傷のため2日間連続別メニュー調整だったMF遠藤保仁が強行先発。MF明神智和とダブルボランチを組み、その前方には武井択也と二川と並んだ。2トップはイ・グノと平井将生。4バックは右から加地亮、中澤聡太、山口智、藤春廣輝で、GKは藤ヶ谷陽介が先発した。
 
 先制したのは清水。前半9分、右サイドで高原と大前が相手に囲まれながらも絶妙なパスワークで打開すると、抜け出した辻尾がクロスボール。中央は2対2の状況だったが、ファーサイドから飛び込んできた伊藤が加地の上からダイナミックなヘディングシュートを放ち、J初ゴールをゴール右隅へ沈めた。

 “和製アンリ”の待望のゴールでリードを奪った清水は、G大阪の素早いプレッシャーに距離を詰められながらも高原、大前、枝村の正確なダイレクトパスでマークを外して主導権を握る。だが勝利しかないG大阪は13分、左中間でイ・グノからのパスを受けた武井が左足シュート。清水GK山本が何とか触ったシュートは、ゴール左ポストを叩く。一気に押し込んだG大阪はこの後も二川のDF間を射抜くパスや切り返しからの左足シュートなどでリズムを離さない。

 清水は31分に大前のグラウンダーの右クロスをPAでコントロールしたアレックスがGKと1対1となるが、このシュートをゴール左へ外してしまうとその直後の失点から青い波に飲み込まれてしまう。G大阪は32分、相手ディフェンスラインの背後に出されたボールに反応したイ・グノがGKをかわして同点ゴールを流し込む。

 G大阪はさらに39分、二川の左CKをファーサイドのイ・グノが狭い二アサイドへヘディングシュートを流し込んで勝ち越しに成功した。清水は前半ロスタイムにアレックスの左クロスから高原が決定的なヘディングシュートを放ったが、G大阪GK藤ヶ谷が左手一本でセーブ。追いつくことができない。

 逆に後半開始から平井に代えて、MFキム・スンヨンを投入したG大阪が清水を突き放す。7分、ハーフウェーライン付近で相手ボールを奪ったイ・グノが左サイドを独走。2対1の状況からイ・グノが右後方でフォローした二川へラストパスを送ると、フリーの背番号10は難なくゴール中央へ3点目を叩き込んだ。

 G大阪はこの後も再三DFラインを破り、決定機を連発する。G大阪にいいように揺さぶられた清水は16分、辻尾に代えてDF村松大輔を投入。21分には太田に代えて杉山浩太をピッチへ送り出してカルフィンを左SBへ移動させると、32分には枝村に代えて最後のカードとして高木俊幸も起用した。だが、自陣でのパスミスなど攻守にミスを重ねた清水は追撃することができず。一方のG大阪は36分に二川に代えてMF橋本英郎を投入。3-1で逃げ切った。試合終了後には西野監督をイレブンが胴上げ。指揮官退任が発表された後も最後まであきらめずに戦ったG大阪は西野政権の最後を2連勝で終えた。 

(取材・文 吉田太郎)

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