beacon

[クラブW杯]田中&工藤がゴール!! 柏が歴史的初勝利!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.8 クラブW杯開幕戦 柏2-0オークランド 豊田ス]

 柏が歴史的初勝利! FIFAクラブワールドカップ2011が8日に開幕。Jリーグ王者で初出場の柏レイソルが、開幕戦でオセアニア代表のオークランド・シティ(ニュージーランド)と対戦し、2-0で勝利した。前半に2点を奪った柏は、後半は相手に押し込まれる場面もあったが、“日本代表”として堂々と戦い、初戦突破を果たした。次戦は11日の準々決勝で、北中米カリブ海代表のモンテレイ(メキシコ)と対戦する。

 柏は4-4-2を採用。メンバーはJリーグ制覇を決めた3日の浦和戦と同じで、GKは菅野孝憲、DFラインは右から酒井宏樹、増嶋竜也、近藤直也、橋本和。ダブルボランチは大谷秀和と茨田陽生が組み、2列目は右にレアンドロ・ドミンゲス、左にジョルジ・ワグネルが入った。2トップは田中順也と工藤壮人が組んだ。

 2年ぶり3回目の出場となったオークランドは4-1-4-1システムを採用。ニュージーランド代表経験のあるDFイバン・ビチェリッチやMFデイブ・マリガン、またバルセロナの下部組織出身のFWマネル・エクスポシートらがスタメンに顔を揃えた。

 前から積極的にプレスをかけた柏が序盤からリズムをつかむ。そして前半4分、最初の決定機を作った。酒井が右サイドから仕掛けてつかんだCK。レアンドロのキックは競り合いで中央にこぼれたが、増嶋が反応してシュート。DFにクリアされ、PA左付近に転がったボールを田中がシュートしたが、今度はブロックされた。

 その後もワグネル、レアンドロの攻撃的MFに橋本や酒井のSBも絡んで攻め込むが、オークランドはニュージーランド代表にも見られるような堅守を発揮。最終ラインでしっかりと跳ね返し、柏に決定的なシュートを打たせなかった。それではと前半12分にワグネルが左足でミドルシュートを放ったが、これは大きく外れた。

 その後、柏が攻めきれずに一進一退の攻防が続いたが、前半37分に貴重な先制点が生まれた。左サイドでボールを受けた田中順也は橋本とのパス交換でPA左内を突進。DF2人に挟まれかけたが、ドリブルで切り裂いて左足を一閃。強烈な一撃をゴールネットに突き刺し、1-0リードをもたらした。柏の記念すべきクラブW杯初ゴールは、今季躍進を遂げたストライカーが奪った。

 これで勢いに乗った柏は、すぐさま追加点を奪った。前半40分、右サイドで得たFKのチャンス。レアンドロのキックから酒井宏樹がヘディングシュート。これは惜しくも右ポストを叩いたが、跳ね返ったボールを橋本和がシュート。当たりそこねのボールは前方の工藤壮人の元に届き、右足で押し込んで2-0とする大きなゴールをもたらした。

 前半は柏が2-0で折り返し、両チームともメンバー変更なく、後半がスタートした。開始3分、柏がチャンスを作った。右サイドの酒井がアーリークロス。これを中央で工藤が頭を合わせたが、わずかに上に外れた。オークランドは同4分、フェネリディスに代えて背番号「10」のFWルイス・コラレスを送り出した。同6分、柏は大谷がパスカットからPA右内の工藤にスルーパスを出したが、シュートまで行けなかった。

 オークランドも柏のやり方に慣れたのか、少しずつボールを回す時間が増えてくる。それではと、柏はショートカウンターを狙う。後半19分、レアンドロがドリブルから右サイドの酒井へパス。酒井は低く速いクロスを入れたが、これはDFにクリアされた。これでつかんだ右CKで、レアンドロのキックのこぼれ球から田中が左足ミドルを放ったが、相手にブロックされた。

 そんな中、柏にアクシデントが襲う。自陣ゴール近くで酒井が足を痛めて倒れ込んだ。急な事態にネルシーニョ監督は後半22分、酒井に代えてMF水野晃樹を右SBとして送り出した。オークランドは同22分、ディキンソンに代えてFWエミリアノ・タデを、同24分には最後のカードとしてFWダニエル・コプリブチッチを投入。攻撃的な選手を相次いで入れ、ゴールを目指した。

 柏は後半26分、レアンドロのスルーパスから工藤がPA左を進入し左足でシュートを放ったが、角度がなく、左のサイドネットに当ててしまった。なかなか追加点が奪えない中、柏はピンチを迎える。同30分、コラレスにミドルシュートを打たれた。これはGK菅野の正面だったが、同34分には直接FK、その1分後にはクロスからのヘディングシュートであわやのシーンを作られたが、いずれもGK菅野が好セーブで防いだ。

 柏は試合を落ち着かせるため、後半37分に茨田に代えてMF栗澤僚一を投入した。そして、同40分、最後の交代カードとしてベテランストライカーが送り出された。田中に代わって元日本代表FW北嶋秀朗がピッチに登場した。試合はその後、経験豊富な選手を入れた柏がしっかりと逃げ切りに成功。初のクラブW杯となったが、2-0完封で歴史的勝利をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)

▼関連リンク
クラブワールドカップ2011特集

TOP