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夢へ、世界へ「100%の力を」NIKE FC選抜チームセレクションを中高生20名が突破!

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 ユース世代のフットボールプレーヤーをサポートするナイキジャパンは29日、さいたま市のレッズランドで2012年のNIKE FC選抜チームセレクションを行い、「上手くなりたい」「プロになりたい」など本気でレベルアップを目指す中高生65名がチャレンジ。フィジカルテストやミニゲームなどを経て20名がセレクションを突破し、NIKE FC選抜チームの一員となることが決まった。(セレクション通過者20名はこちら)

 海外での指導経験豊富なコーチ陣が、選手一人ひとりの悩みや疑問に答えてくれる「プレイヤーズ・ラウンジ」やシュートやパスなどのトピックを約3時間の集中トレーニングで磨くなどしてきた「フィールド・プログラム」。一昨年に発足されたNIKE FCは、所属チームのトレーニングに加えてさらにサッカーに対して貪欲に取り組む中高生選手たちが、NIKEの特別強化プログラムに接することでそれぞれの成長を促進させてきた。昨年、NIKE FCの一員として活動してきたFW中村祐(藤沢清流高)は「普段得られない、プロになるための必要なトレーニングや場所といった環境を提供して頂いている」と感謝していたが、今年は個々のレベルアップはもちろん、NIKE FC選抜チームとして大会へ出場することが予定されており、さらに「海外への挑戦へつながるチャンスがある!」。

 セレクション参加者は全国的に無名なチームの無名選手たちがほとんどだが、自らのフットボールプレーヤーとしての可能性を広げるため、また簡単には訪れないであろう貴重なチャンスを掴むためのセレクションでもあるだけに午前の集合時から緊張した表情。入念なウォーミングアップの後、NIKE FCのリー・マンソンヘッドコーチから「エリートはいつもプレッシャーの中でプレーしている。今回(のセレクションで)3人にひとりは選ばれていく。これは君たちにとってプレッシャーになる。その中で勝負にこだわってほしい。(普段の)チームメートと違うグループの中でリーダーシップを取ること。そして100パーセントを見せて欲しい」とアドバイスを受けると、スイッチの入った選手たちはライバルを上回るため“戦闘モード”でメニューに挑んでいった。

 強風が吹き付ける悪コンディションの中で実施されたセレクションはまず各1分間の回数を測定した腹筋、腕立て伏せからアジリティ(アローヘッドラン)、そして4つのコーン間をジグザグに抜けて25m先に置かれた4つのコーンを再び抜けるドリブルテスト、スピードとゲート間を射抜く正確なキックを要求されたドリブル&パス、シャトルラン。その後1時間30分は5対5のミニゲームを徹底的に繰り返して、コーチ陣からゲーム中の「ダイナミックさ」「ピッチ上でリーダーになれたか」「パス、シュート、タックルでゲームの流れを変えることができたか」をチェックされていた。

 マンソンヘッドコーチは「みんな恥じらいがあって前へ行くプレーヤーが少なかった。(特にフィジカルテストでは)ゴールが近づくにつれてスローになった。後悔して『もっとやっておけば良かった』と思っている選手もいたと思う。うかりたい気持ちがあるならば、自分の力を出し切らなければならない」と力を出し切れなかった選手たちについて残念がっていたが、それでもNIKE FC選抜チーム加入への強い情熱を持ち、自身のストロングポイントを発揮した選手たちがアピールに成功する。ミニゲームは全体的にゴールへのどん欲さと結果を出そうという姿勢、激しさもあったが、中でも大型MF森将太郎(大東文化大一高)が左サイドからの強烈なドリブルで再三DFに穴を開ければ、MF増田侑也(国立高)やMF高田啓伍(神奈川大附高)が正確なボールタッチとキープ力を活かして攻撃を勢いづける。また「自分をアピールできるセレクションというのをいっぱい経験したかった。それが自分の経験になると思っていた。自分は器用じゃないんでディフェンス面で少しでも頑張って、相手からボールが離れたら足を伸ばせるようにディフェンス面を出そうと思っていた」というDF木戸楓真(フットボール・トライアウト・アカデミー)やMF高橋郁海(拝島高)がその声とハードタックルで相手の攻撃を食い止めていた。

 身体能力で高校生に劣る中学生も「(進学する高校)チームではBチーム。先輩達に差をつけたいと思った。ナイキFCにうかればレベルの高いところでプレーできる。自分もレベルアップすることができると思った」と振り返るGK広保友樹(海城中)らがライバルたちに負けない積極プレーで自らを印象付けた。また昨年のNIKE FCの活動で課題を持って取り組んできたという中村は「自分の課題は相手に優し過ぎること。『もっと引っ張り倒してでもやればいいのに』と言われていた。(きょうのセレクションでは)テクニックがないので最後まであきらめない気持ちを出した。足が攣りかけたけれど、そこで足を止めたら自分には先がない。だから最後まで走りました」。主にゲームでのパフォーマンスを評価をされた合格者たちだが、NIKE FCでの活動を通して指摘されてきた課題を重要なトライアウトで克服した選手や、周囲よりもサッカーに懸ける気持ちの強さを前面に出していた選手がNIKE FC選抜チーム入りをもぎ取った。

 正確なミドルシュートとドリブルでインパクトを残したMF松川哲朗(豊島高)は「これからどんどん成長できれば、もっと高いところでできる。(セレクション通過者は)ここからは全員が仲間ですけれど、ライバルにもなる。ここ(NIKE FC選抜チーム)で一番になれるように頑張る」と宣言。彼らは今回のセレクションで合格したが、まだまだ実力で上回る選手は同じ年代にも大勢いるし、まだそれぞれの夢へ向けた第一関門を突破しただけだ。ここから何ができるかが重要になる。NIKE FCのプログラムは2月19日に行われる予定の予備セレクションであと数人を加えてスタート。元U-18メキシコ代表のジョージ栗山GKコーチは「100パーセントで取り組むこと。100パーセントで取り組まないと成功はない。ミスを怖れないで100パーセントでやってほしい」。目標へ向けてどれだけ一生懸命できるか。今回、合格した選手たちはもちろん、不合格だった選手たちにもあきらめなければ夢をかなえるチャンスはいくらでもある。

2012年NIKE FC選抜チームセレクション合格者

MF鈴木圭人(正則学園高)
FW中村祐(藤沢清流高)
MF木田大稀(大東文化大一高)
MF/FW山口遼(白鴎高)
MF高橋郁海(拝島高)
DF木戸楓真(フットボール・トライアウト・アカデミー)
FW福田翔太(森村学園高)
MF増田侑也(国立高)
MF本郷峻也(国立高)
MF橋本賢人(並木高)
MF松川哲朗(豊島高)
DF相田雅仁(国立高)
MF高田啓伍(神奈川大附高)
FW新海嶺(国立高)
DF/MF石田優輝(大東文化大一高)
MF森将太郎(大東文化大一高)
MF中原優哉(大師高)
FW下河部要一(大和南高)
GK広保友樹(海城中)
GK根木秀彰(功玉社中)

(取材・文 吉田太郎)

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