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横浜FC・田原「気持ちの部分が最後は必要」

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[4.15 J2第8節 湘南3-2横浜FC BMWス]

 後半21分、1-2とリードされた横浜FCは、DF杉山新に代えてFW田原豊を投入した。「勝ちに行くところと、田原選手が非常に好調だったので、前でポイントをつくりたかった。あのまま試合が膠着するのもイヤだったので、こちらから動きました」と言う山口素弘監督は、布陣を3-4-3に変えて前線の人数を増やし、同点ゴールを狙いに行った。しかし、追加点を奪われると、終了間際にMF武岡優斗が1点を返したが、2-3で敗れて今季初の連敗。開幕からの未勝利試合数も8となった。

 指揮官の期待を感じていた田原にとっても、この試合は悔しい一戦となった。「負けている展開だったので、結果を求められていたと思うし、その中で結果を出せなかったことは反省点。それに3点目の失点をしたときも、自分が奪われたところから(相手の攻撃が)始まっていた。ああいうところでシュートで終わるなり、サイドに散らして中で待つなり、そういうことができればよかった」と振り返る。後半23分、MF高地系治からのパスを中央で受けた田原だが、ボールをコントロールできずに失うと、湘南にパスをつながれて、一気にカウンターを受けた。FW古橋達也に右サイドを突破されると、中央のFW菊池大介にシュートを決められた。

 古巣対決について、「感謝はしていますが、今は横浜FCの一員なので、特に気負いもなかった」と言う一方で、現在の湘南についての印象を「J2で1位を走っているし、走るサッカーを全員が一生懸命にミスを恐れずやっている。これは若い選手が多いから、やりたいようにやれていると思うし、それをやらせている監督もすごい。これで胸のスポンサーがついてくれれば、ベルマーレにとっても、サッカー界にとってもいいことだと思うので。ああやって頑張っている姿に胸を打たれる会社があればいいんじゃないですかね」と語っている。

 湘南が首位に走っている一方で、この試合に敗れた横浜FCは最下位に転落した。だが、順位ほどの差はないと田原は言う。「力で言えば、1位の湘南、(試合前)最下位に近いオレたち、そんなに変わらないと思うんです。ごくわずかな部分だと思う。個人個人が勝ちたい意欲を、もうちょっと強く出していければ、転がってくるものもあるかなと思います」。

 実際に横浜FCは今季初の2得点を挙げただけでなく、多くのチャンスもつくり出した。「やろうとしていることをやっている。そういう時間を増やして、精度を高めたい。でも、それだけでは勝てない。気持ちの部分が最後に必要になってくる。あとはメンタルの強化」と課題を口にした。次節はまたも田原にとって、古巣である京都との一戦を迎える。復調の兆しを見せている横浜FCは、湘南戦で出た課題を修正し、ホームで初勝利を挙げることができるか。

(取材・文 河合 拓)

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