[3.21 J1第3節 横浜FM3-3柏 日産ス]

　J1第3節は各地で5試合を行い、日産スタジアムでは横浜F・マリノスと柏レイソルが対戦した。ともにここまで未勝利の両チームの対戦は激しい点の取り合いとなり、3-3の引き分け。互いに初勝利はお預けの痛み分けとなった。

　横浜FMは3-4-3のシステムで、GK榎本哲也、3バックは右から栗原勇蔵、松田直樹、中澤佑二と並んだ。中盤は小椋祥平と兵藤慎剛がダブルボランチを組み、右に清水範久、左に小宮山尊信。前線は渡邉千真を頂点に狩野健太と山瀬功治がシャドーストライカーの位置に入った。
　柏は4-2-3-1で、GK菅野孝憲、4バックは右から村上佑介、古賀正紘、小林祐三、石川直樹と並んだ。中盤は栗澤僚一と杉山浩太のダブルボランチ、2列目に右から太田圭輔、李忠成、菅沼実と入り、フランサの1トップだった。

　試合は開始2分、横浜FMが幸先よく先制する。小宮山の左クロスに飛び込んだ狩野が頭で合わせ、GKの手をはじいて先制ゴールを叩き込んだ。同9分にも松田のロングフィードから抜け出した渡邉がポスト直撃のシュートを放つなど一方的に押し込み、前半18分には狩野の左CKに中澤が合わせて2-0。柏の古賀は中澤に簡単に振り切られ、完全にノーマークだった。
　柏は、横浜FMの速い寄せと厳しいプレッシャーにパスをつなげず、攻撃の糸口をつかめない。逆に高い位置でボールを奪われ、カウンターを浴びる悪循環に陥った。
　それでも前半42分、右CKのこぼれ球を拾ったフランサが杉山に落とすと、杉山のミドルシュートがDFに当たって角度が変わり、ゴールマウスへ。ラッキーゴールで1点を返したが、直後の前半44分、3失点目を喫してしまう。清水の右クロスにフリーで合わせた渡邉のヘディングシュートがゴールネットを揺らし、横浜FMが3-1と再びリードを広げた。

　後半も試合の主導権を握ったのは横浜FMだったが、柏も前半より運動量が増え、球際で体も張るようになり、ボールを奪って速攻からチャンスをつくる回数が増え始めた。
　後半20分にはPA内右サイドに進入した栗澤が山なりのクロスを上げると、ファーサイドで待っていたフランサが1トラップから右足を振り抜き、豪快にゴールネットに突き刺した。
　1点差に迫り、さらに勢い付いた柏は後半40分、途中出場のFWポポの弾丸ミドルでついに3-3の同点に追いついた。粘りを発揮した柏はこれで開幕から3戦連続引き分け。2度も2点のリードを奪いながら守備陣が耐え切れなかった横浜FMは2分1敗となった。

(取材・文　西山紘平)