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[戦評]不安を露呈させた開催国

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[6.14 コンフェデ杯A組GL第1戦 南アフリカ0-0イラク ヨハネスブルク]

田村修一の「視点」

 09年コンフェデレージョンズ杯開幕戦の南アフリカ-イラク戦はスコアレスドローに終わった。南アフリカが主導権を握ったが、最後までイラク守備陣を崩せず得点は奪えなかった。

 正直、南アフリカは1年後に迫ったW杯に向けて不安を残すだけの試合となった。チーム全体にミスが多く、他のアフリカ諸国の強豪国にいるような強力な点取り屋も皆無。また、超Aクラスの選手はおろか、Aクラス級の選手も存在せず、人材の不足が激しい。年月を重ねるごとにどんどん弱くなっている印象で、W杯本大会ではよほど組み分けに恵まれてもGL突破は難しいのではないだろうか。
 ただし、サポーターの後押し、会場の雰囲気は見事なものだった。それを見るにつけ、日本がこの大会に出られなかったのは残念でならない。中村憲剛や田中マルクス闘莉王ら、主力に国際経験の乏しい選手が少なくない日本にとっては経験を積む絶好のチャンスだっただけに、今更ながら悔やまれる思いだ。

 イラクに関して言えば、開幕戦は守るだけの試合だった。ボラ・ミルチノビッチ監督が就任して日も浅く、守備の構築だけが精一杯といった感じで攻撃にはまだまだ手を加える箇所が見受けられた。優勝を果たした07年アジア杯時の状態とはほど遠く、当時とは別チームと見るべきだろう。それでも初戦で開催国相手に引き分けられたのは収穫。例え次戦のスペインに負けても、最終戦のニュージーランドに勝利を収めればGL突破も見えているだけに、まずまずの結果といえるだろう。

(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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