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[戦評]惨敗のイタリア、今後の復活に期待

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[6.21 コンフェデ杯B組GL第3戦 イタリア0-3ブラジル プレトリア]

田村修一の「視点」

 南アフリカで開催されている09年コンフェデレージョンズ杯GL・B組は各地で最終戦を迎え、注目のイタリア-ブラジル戦はブラジルが3-0の勝利を収め、GL首位通過を果たした。一方、敗れたイタリアはGL敗退となった。

 試合はブラジルがあっという間に3得点を挙げ、前半だけで決まってしまった。引き分けで首位通過を果たせるブラジルは前線からのプレッシャーを控え、守備を分厚くし相手の攻撃を受け止めてカウンターを繰り出す慎重な戦術で試合に臨んだ。一方、自力での決勝トーナメント進出には勝利が必至なイタリアは、4-3-3の攻撃的な布陣で臨んだが小さなミスを連発。守備陣も考えられないようなミスを連発した。後半に入ると多少盛り返すも、試合巧者のブラジルにうまくいなされ、得点を挙げることは出来なかった。

 無難に首位通過を果たしたブラジルは余力を感じさせた。まだまだコンビネーションも完璧ではないが、今大会は優勝の可能性が高いだろう。スペインと双璧をなしている。

 一方、敗れ去ったイタリアはひとつの時代の終焉を感じさせた。4-3-3の攻撃的な布陣で臨んだ今大会だが、若手を使わずにタレント不足が目に付き、06年W杯優勝メンバーは明らかにピークを過ぎていた。
 ただし、来年のW杯に向けてはそれなりの結果を出すだろう。監督のマルチェロ・リッピは未だトップレベルの監督だろうし、もともと戦術に強いお国柄。今大会は攻撃をベースにした戦術で結果は出なかったが、守備をベースにしたチームを作れば現在のメンツでも一定以上の結果は付いてくるはず。今後の修正次第では復活の可能性は十分にある。そこまで悲観することもないだろう。

(取材 フットボールアナリスト田村修一)
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