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"賭け"に敗れた清水、永井先発も20戦ぶり無得点

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[9.6 ナビスコ杯準決勝第2戦 F東京1-0清水 味スタ]

 清水エスパルスが“賭け”に敗れた。5月20日のナビスコ杯・山形戦(0-1)以来、公式戦20試合ぶりにFW永井雄一郎を先発起用。長谷川健太監督は「永井の一発に賭けようと思った」と、抜擢の理由を説明したが、これが裏目に出た。

 ボールを呼び込む動きが少なく、ポストプレーでもボールが落ち着かなかった永井。運動量も少なく、前線からのプレスがかからなかったことで、後手を踏んだ。前半16分には痛恨の先制点を献上。結局、前半43分に永井を外し、MF藤本淳吾を投入することになった。

 「時間がたってスペースがなくなる前に永井を使った方がいいと判断した。ただ、先制されて我慢して使うのが難しい状況になった。2点目を取られたら終わってしまうし、バランスの取れる形に戻すしかなかった」。後半11分にはDF青山直晃がMF石川直宏と交錯した際、右ひざを痛めて負傷交代。誤算が相次ぎ、勝負どころで交代カードは1枚しか残っていなかった。

 後半25分、MF伊東輝悦に代えて191cmと長身のFW長沢駿を投入。FWヨンセンとのツインタワーで反撃を狙ったが、守備を固めるF東京を崩せなかった。「(交代枠が)2枚あれば、別の方法も考えられたが、1枚しかカードがなくて、2点取らなければならなかった。(長沢)駿を入れて、こぼれ球を狙うしかなかった」。長谷川監督は苦々しい表情で振り返った。

 日本代表FW岡崎慎司の抜けた穴は想像以上に大きかった。終わってみれば、永井が先発した山形戦以来、公式戦20試合ぶりとなる無得点で、シュートもわずかに6本。MF本田拓也は「オカ(岡崎)にすごい頼ってたんだなというのが分かった」とうなだれるしかなかった。

<写真>交代する清水FW永井をねぎらう長谷川監督
(取材・文 西山紘平)

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