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[天皇杯]柏はPK戦で辛勝、ジェフリザは粘り及ばず

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[10.11 天皇杯2回戦 柏0-0(PK4-2)ジェフリザーブズ 柏の葉]

 第89回天皇杯全日本サッカー選手権は11日、各地で2回戦24試合を行い、柏の葉公園総合競技場では柏レイソルとJFLのジェフリザーブズが対戦。柏が一方的に攻め込んだが、ジェフリザーブズは粘り強く耐え、試合は0-0のままPK戦に突入。120分を通して苦戦を強いられた柏だったが、PK4-2で競り勝ち、なんとか3回戦進出を決めた。

 柏は主力のうちMF大津祐樹、MFポポがベンチ外。システムは4-4-2で、GK菅野孝憲、4バックは右から村上佑介、小林祐三、近藤直也、大谷秀和と並んだ。中盤は栗澤僚一と杉山浩太のダブルボランチで、右に山崎正登、左に菅沼実。2トップはアンセウモ・ハモンと北嶋秀朗が組んだ。
 ジェフリザーブズも4-4-2で、GK大河原弘樹、4バックは右から安川洋介、市原充喜、山中誠晃、佐藤誓哉。中盤は高田健吾と蓮沼剛が中央に位置し、右に福田建、左に乾達朗。出口司と宮内亨の2トップだった。

 試合は柏がボールを支配したが、単調なロングボールが多く、なかなかチャンスをつくれない。ビルドアップでミスも目立ち、拙攻が続いた。

 チャンスのほとんどはセットプレーからで、前半8分、菅沼の左CKに合わせた近藤のヘディングシュートはゴール上へ。同17分にもFKのチャンスにトリックプレーから最後はハモンが狙ったが、枠を捉え切れなかった。

 粘り強く守っていたジェフリザーブズもカウンターからチャンスをつくりたかったが、なかなか2トップにボールがおさまらず、連動した攻撃ができない。前半41分には出口が前線で粘り、DFのクリアミスを拾った宮内が抜け出してGKと1対1のチャンスを迎えたが、シュートは力なくGKの正面に飛んだ。

 柏は前半43分、またしてもCKから決定機をつくり、菅沼の右クロスにハモンがダイビングヘッドを放ったが、GKの好セーブに阻まれた。

 リズムを変えたい柏はハーフタイムに北嶋を下げ、公式戦初出場となるFW工藤壮人を投入した。ゴール前に攻め込む時間は多いが、なかなか決定的な形をつくれない試合展開に、後半21分、ハモンに代えてFWフランサをピッチに送り込み、試合を決めに出た。

 ジェフリザーブズも後半18分に2トップをそろって交代。FW鳥養祐矢とFW渡辺正嗣を入れ、攻守の再活性化を図った。180cmと長身の渡辺は中盤の真ん中に入り、中盤の人数を増やし、前線は鳥養の1トップ。我慢強く耐えて、カウンターでワンチャンスを狙う戦い方を徹底した。

 一方的に攻め立てる柏は後半24分に工藤、同27分に杉山がシュートを狙うが、いずれもGKがセーブ。得点を奪えないまま時間ばかりが経過し、後半43分、栗澤のフィードに合わせたフランサのヘディングもクロスバーを叩いた。

 試合は0-0のまま延長戦に突入。すると、延長前半5分、ボールを奪っても前に蹴るだけで精一杯になっていたジェフリザーブズに絶好機が訪れる。1トップの鳥養が粘って独力突破。強引にDFラインを突破し、左足でシュートを打つと、GKが弾いたこぼれ球に福田が詰めていたが、シュートは大きく外してしまった。

 柏は延長前半8分、杉山が思い切りよくミドルシュートを狙うが、GK大河原が素晴らしいセーブでCKに逃れた。結局、柏は最後まで決め手を欠き、試合は120分を終えても決着がつかず、PK戦に持ち込まれた。

 先攻の柏は1人目の栗澤が大きく上に外して失敗。ところが、ペナルティーマーク付近のピッチ状態が悪いため軸足が滑ったとして、岡田正義主審はコートを逆サイドに入れ替える判断を下し、栗澤もやり直しとなった。

 2度目のキックとなった栗澤はゴール左に冷静に決める。後攻のジェフリザーブズは1人目の市原が左ポストに当ててしまい、失敗。リードした柏だったが、3人目の菅沼がゴール上に外し、3人目を終えて2-2の同点となった。

 ジェフリザーブズは4人目の福田のキックがクロスバーを直撃した。4人目を終えて3-2とした柏の5人目は村上。決めれば勝ちのプレッシャーがかかる状況だったが、落ち着いてゴール右に流し込み、柏がPK4-2でジェフリザーブズを振り切った。

(取材・文 西山紘平)

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