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10人の北朝鮮が引き分けに持ち込む(北朝鮮vs韓国)

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[2.20 08年東アジア選手権 北朝鮮 1-1 韓国 重慶] 

 初戦で日本と引き分けた北朝鮮と中国に逆転勝ちした韓国との「南北決戦」は1-1で引き分けた。
 試合序盤、中盤の技術で上回る韓国はボールを失わず、優勢に試合を進める。まずは9分、中盤でボールを受けたMFヨム・ギフン(24)が反転から強烈な右足ミドル。このシュートは北朝鮮GKリ・ミョング(21)の好セーブに阻まれたが、直後の10分にもゴール正面でパスを受けたヨム・ギフンが再びシュートまで持ち込んだ。
 
 縦へのスピードが鋭い韓国に対し、北朝鮮は1-1だった日本戦と同じくDFリ・ジュニル(20)ら3バックが粘り強い守りで奮闘。ゴールには近寄られるものの必死の守備で跳ね返した。だが、韓国は21分、右サイドのペナルティエリアやや外からのFKを得ると、ヨム・ギフンが鮮やかな左足シュートをゴール左隅へと決め、先制した。
 
 その後もミスを犯さない安定した試合運びを見せる韓国に対し、北朝鮮は後半3分、DFパク・チョルジン(22)が2枚目の警告を受け退場。10人でのプレーを強いられた。5-4-1から4-4-1へ布陣変更し、より守りを固める北朝鮮。韓国は攻勢を仕掛けるが、FWイ・グンホ(22)らのシュートが、北朝鮮の守護神リ・ミョングの壁に跳ね返され追加点を奪えない。

 10人の集中した守備で苦しい時間帯を耐えた北朝鮮は後半28分、右サイドのDFチャ・ジョンヒョク(22)の縦パスに反応したFW鄭大世(23)が相手DFと競り合いながらゴールへ突進。そして右足を振りぬくとボールはゴールネットを揺らした。執念の一撃に雄たけびを上げながら喜ぶ鄭に朝鮮イレブンが次々と駆け寄る。川崎F所属の鄭は「(ゴールは)まぐれです。後悔だけしないように守備で走った。貢献できた」。この後、韓国はロングボールとサイドからのクロスを放り込み、北朝鮮ゴールをこじ開けようとしたが、北朝鮮はリ・ミョングがゴールを死守。中国の観客の大声援も力に粘り抜いた北朝鮮が、10人で引き分けに持ち込んだ。

(取材・文 吉田太郎)

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