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[北京への道(6)]DF安田理大(G大阪)

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[7・6 J1第15節 柏1-0G大阪 柏]
安田理大にとって柏戦の84分間は、手応えと悔しさの入り混じった時間だった。
マッチアップした柏の太田圭輔は、ここまで6得点を挙げている柏の得点王。フィニッシャーとしてはもちろん、攻撃の起点として柏の進撃を支えている。
「あそこはスカウティングビデオでレイソルのストロングポイントとされていた。裏に走らせないためにも少し抑えめに守って、ボールをある程度持たせようという話はしていた。そこはある程度できたと思う」と安田は言った。もちろん反省の弁が多かったのだが、手応えの部分もしっかりと自分で認識していた。
その言葉通り、敗れはしたが、前半は完全にガンバのペースで、その一翼を担ったのが安田だった。
太田とのマッチアップでは、実にクレバーな駆け引きを演じていたと言える。つまり、注意すべき相手に対し、近距離でプレッシャーをかけるのではなく、ある程度距離をおいてボールを持たせながら守る。空走りでスピードに乗ってスペースに侵入されるより、ボールを持たせることで勢いをそぐ方法を選択したのだ。
この試合をスタンド観戦していたガンバ大阪のライバルチームのGMは「安田はいいね。内側に巻きながらではなく、タッチライン側に引きながら鋭いクロスを上げられるのはすごい。あれほどの左足を持っていて右利きなの? 長友もいいけど、安田のほうがいい」と絶賛した。
チームはACLによるリーグ戦の日程変更や、ナビスコカップ準々決勝があったことで、ここ2週間で4試合。柏の2倍の試合数では、後半にバテがくるのも無理はない。
だが安田は「きょうはきつかったけど、目標は高いところを見ている。こういう過密日程の試合の中でも結果を出せるようにやっていけたらいいと思っています」と話す。
5月11日の横浜戦で左太もも裏を負傷。日本代表ではその間にFC東京の長友が台頭してきた。その後、長友は右足首負傷で離脱したが、安田自身も6月22日の日本代表VSバーレーン戦で足首をねん挫している。7日から始まるU-23日本代表合宿は、北京でレギュラーの座を死守したい安田にとって、まさに正念場。OA枠で僚友となるはずだった遠藤保仁は長期離脱が濃厚だが、その分も浪速のド根性を見せる決意だ。
(取材・文  矢内由美子)

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