beacon

[北京への道(9)]MF本田圭佑(VVV)

このエントリーをはてなブックマークに追加
 U-23日本代表MF本田圭佑(VVV)が北京五輪で世界と戦う日本に高い要求を突きつけた。「勝つためには自信を持っていける自分たちの武器が必要。日本は何かといったらみんなが走ってチームを助け合いながら戦うことだと思う。これが世界一にならないとメダルには手が届かない」。

 今年1月からオランダへと活躍の場を移した本田圭はにとっては、5月のトゥーロン国際大会(フランス)やU-23カメルーン戦でまずまずの試合を見せたとはいえ、日本の現状にはまだ不安が残る。「北京五輪で自分たちの力が発揮できないことが怖い。100パーセント力を出せるようにしたい。(日本でも海外でも相手が)どこでも同じサッカーをしたい」と口にした。現在世界で戦う男は、世界で勝ちたいからこそ、自信を持って戦える武器の重要性を唱えるのだ。
 昨季はオランダ1部から2部に降格したチームの中で17試合2得点。名門・フェイエノールトからFKでゴールを奪うなどインパクトある活躍もした。凱旋試合となった6月12日のU-23代表カメルーン戦でのプレーが認められ、岡田ジャパンで代表デビューも果たした。実績はこの代表の中では最上位クラス。A代表や海外の厳しさを見て、経験してきたからこそ要求も高くなる。
 実際練習に入っても課題があるのは明らかだった。本田圭はこの日の8対8+フリーマンでのゲーム形式での練習ではフリーマン役を務めたが、チームは攻撃時にミスを連発。ゴール前で4対2や5対2の数的優位の状況を得手もなかなかゴールを破ることが出来なかった。反町康治監督が「ラスト1ゴール(で練習終了)」と言った後の数分間、攻撃は全くかみ合わず、ゴールを割れないまま時間切れで終了となった。
 本田圭はチーム全体の課題として、遅攻時のパスなどのプレー精度の低さを指摘。「(五輪代表は)ヤットさん(遠藤保仁)のようにボランチが落ち着きを与えられる訳ではない。どうすれば相手に脅威を与えられるか考えなければいけない。要求を突き詰めていきたい」。また北京五輪での戦いを「総力戦。団結力が必要になる」と語った本田圭。世界を戦いへ向け最も危機感を抱いているレフティーは、日本が北京の地で最高のパフォーマンスを発揮するために今、必死で考え、吠えている。

(取材・文 吉田太郎)

「ゲキサカ」ショート動画

TOP