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[高校総体]昨年王者、勝負強さ見せ初戦突破(市立船橋vs矢板中央)

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[7.30 平成20年度全国高校総体サッカー競技2回戦 市立船橋 3-1 矢板中央 レッズランドF1]

 昨年日本一の市立船橋(千葉2)が2回戦から登場。矢板中央(栃木)と戦い、3-1で勝った。
 昨年の日本一メンバーFW中村充孝(3年)とFW野口翔太(3年)を2トップに置く市立船橋は4-4-2の布陣。今年はプリンスリーグ(U-18)関東1部で10位に終わり、2部降格を味わった。プリンスリーグ序盤から大きくメンバーを動かし、この日の中盤にはMF鈴木宏樹ら3人の2年生を起用した。一方の矢板中央は、ベガルタ仙台の強化指定選手のFW富山貴光を1トップ、日本高校選抜候補のDF大塚正晃(2年)を左SBに置く、4-2-3-1のシステムで試合に臨んだ。
 前半優勢に試合を進めていたのは矢板中央だった。スペースを狙って走る富山や左サイドからの攻撃を中心にチャンスを作り出す。7分にはゴール前のこぼれ球に反応したMF萩原健太が強烈なシュートを浴びせ、8分にもセットプレーから富山が決定的なヘディングシュートを放つなど相手ゴールを脅かす。だが、市立船橋の堅い守りに攻撃を封じられだすと、その後試合は互いにボールをけり合う落ち着かない展開になった。その流れを自分たちに傾けたのは市立船橋だった。前半27分、セットプレーでの相手ファウルで得たPKをJ注目のエース、中村が右足でゴールへ流し込み先制点を奪う。
 前半のシュート数7対2で終えながらリードを許した矢板中央は後半から“スーパーサブ”MF湯澤洋介(3年)を投入。左サイドから積極的に仕掛ける湯澤中心に勢いを増していく。だが、8分のDF早川光(3年)のヘディングシュートも10分の富山の決定的なシュートもゴールを破ることができない。逆に14分、市立船橋はGK若尾直道(3年)を基点にカウンター攻撃。若尾からボールを受けたMF笈川大樹(3年)が右サイドを独走し、そのまま右足で2点目のゴールを破った。
 劣勢となった矢板中央も最後まで試合をあきらめず、28分に右ロングスローから湯澤が追撃のゴールを決めた。この後、市立船橋が退場者を出したことで矢板中央は同点機を迎えたが、後半ロスタイムにGKの判断ミスから市立船橋・鈴木に決定的な3点目のゴールを奪われ万事休す。勝負強さを見せた市立船橋が初戦突破を果たした。市立船橋の石渡靖之監督は「昨年ほどの力はないけど、両サイドとボランチの2年生らは大きな試合を経験するごとに成長すると思う。これからチーム、個人ともにレベルアップしていけると思う」と手応えを口にしていた。

<写真>前半26分、先制ゴールを決めた中村(中央)を市立船橋イレブンが祝福
(取材・文 吉田太郎)

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