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[高校総体]J注目のエース、連覇へ「毎試合獲る」(市立船橋vs矢板中央

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[7.30 平成20年度全国高校総体サッカー競技2回戦 市立船橋 3-1 矢板中央 レッズランドF1]

 連覇を狙う王者がまずまずの滑り出しを見せた。昨年優勝の市立船橋は前半26分、セットプレーのファウルで得たPKをJ注目のエース・中村充孝主将(3年)がゴールへ流し込み先制。後半13分にはカウンターからMF笈川大樹(3年)が右サイドを独走し、2点目を加えた。後半28分に1点を返され、さらにDF水野輝(2年)が退場してしまう不運もあったが、ロスタイムにMF鈴木宏樹(2年)がダメ押しゴールを決め矢板中央を振り切った。
 昨年は浦和へ加入したDF橋本真人主将や京都入りしたMF加藤弘堅らU-18日本代表候補5人を抱えるスター軍団だった。そのチームから唯一残ったレギュラーが中村。すでにJクラブへの練習参加を経験するなど注目を集める天才肌のアタッカーだ。この日は先制のチャンスとなったPKのキッカーを任されると「緊張した」と言いながらも冷静に先制ゴールを沈めた。その後はややロングボールばかりになっていたチームの攻撃を落ち着かせ、後半24分には絶妙なラストパスでMF笈川大樹(3年)決定的なシュートをもたらすなど、チャンスメイカーとしても存在感を見せた。
 同じく前年のチャンピオンとして迎えた今季のJFAプリンスリーグ(U-18)関東1部では10位に沈み、まさかの2部降格を強いられた。だが、2年生の台頭もあり終盤からメンバーが固まり今大会への手応えはつかんでいた。「プリンスでの試合は内容が良くなかったけど今は違う」と中村。相手がマンツーマンディフェンスにくる中、自身のプレーでも質の高いものを見せた。ただ、トップ下を務めることもある中村だが、今大会はFWとして出場しているだけに自身に求められることがゴールだということは分かっている。PKでの1得点に終わった初戦は完全に満足している訳ではない。「毎試合点獲ることが目標。1点、2点とできるだけ多く」と意気込む中村が連覇のため、そして今年苦しんできたチームを完全復活させるためにゴール連発を目指す。

<写真>前半26分、市立船橋はエース中村が先制のPKを決める
(取材・文 吉田太郎)

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