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[高校総体]ハイレベルな攻め合いは大阪桐蔭が制す!(前橋育英vs大阪桐蔭)

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[7.31 平成20年度全国高校総体サッカー競技3回戦 前橋育英 0-1 大阪桐蔭 埼玉スタジアム第4]

 埼玉スタジアム第4グラウンドの第2試合はレベルの高い好ゲームとなった。走力、フィジカル、スピードを兼ね備える前橋育英(群馬)と細かいボール回しで狭いスペースでも次々と打開していく大阪桐蔭(大阪1)の強豪対決。前半3分にDF押荘太郎(3年)が決勝ゴールを決めた大阪桐蔭が1-0で勝った。

 ともに4-4-2でダブルボランチのシステムを敷く両チーム。試合はエースストライカーのFW高山寛正(3年)とDF福村貴幸(2年)、DF中山勢二(2年)とレギュラークラスの3選手を欠く大阪桐蔭が先制点を奪った。前半2分、押が倒されて得たPKを押自ら右足でシュート。「得意じゃないんで。緊張しました」というPKは一度相手GKに阻まれたが、跳ね返りを押が左足でゴールへ叩き込み、大阪桐蔭が先制する。互いにミスが少なく、独力でシュートまで持ち込む力を持つ両チームの戦いはその後一進一退の激しい展開となった。前橋育英は中美慶哉(2年)、六平光成(3年)、佐藤譲(3年)といった中盤の選手が巧みにボールを動かし、ボールをゴール近くまで運んでいく。前半だけで相手に8本のシュートを放たれたが、36分には六平の個人技での突破からDF笛田祥平(3年)がシュートを放つなど相手に失点への恐怖を与え続けた。
 ただ、序盤はややシンプルに縦へボールを運んでいた大阪桐蔭も10分ごろからは人数をかけてのダイレクト、2タッチのパスで局面を打開。司令塔のMF星原雄太がボールに絡むとそのリズムはたちまちテンポアップし、FW上村直弘(2年)が3本のシュートを放つなど試合の主導権は譲らずに得点機を作っていった。
 大阪桐蔭は後半もMF枇椰剛平(2年)が鮮やかな個人技での突破から右足シュートを放つなど試合の流れを離さない。対して前橋育英は、1点のビハインドを意識してか縦へ急ぎすぎる場面が目立った。ただ、後半16分頃の給水を境に「守り切ることを意識した」(DF清水良平主将)という大阪桐蔭を前橋育英が押し込みだす。27分にはDF田中雄一(2年)の右FKに途中出場のDF佐藤祐馬(3年)が走り込み、28分には笛田の右FKに中美が飛び込んだ。そして前橋育英攻勢のまま突入した後半ロスタイムには、右サイドからのラストパスに飛び込んだ佐藤がトラップから体ごとシュートをゴールへ押し込む。だが、肩付近でしたトラップがハンドの判定でノーゴール。激しいクレームの声が飛ぶなか、そのまま試合は終了。大阪桐蔭が1-0で勝った。
 滝川二(兵庫)、前橋育英と強豪校に連勝して初の8強進出した大阪桐蔭の永野悦次郎監督は「ケガ人だらけの中、よくプランどおりにやってくれた。無失点も自信になったと思う」。ケガ人の穴を本来ボランチの「10番」福原翔太(3年)をCBに起用することなどして埋め、2戦連続での完封勝利。そしてアグレッシブに試合を進めての勝利に指揮官は手ごたえを口にしていた。

(取材・文 吉田太郎)

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