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[高校総体]「1対11人では勝てない」原点戻った優勝候補が快勝(鹿島学園vs鹿児島城西)

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[7.31 平成20年度全国高校総体サッカー競技3回戦 鹿島学園 1-4 鹿児島城西

 初戦の羽黒(山形)戦は苦しみながらの逆転勝ち。重圧に苦しんだ優勝候補が3回戦で本領を発揮した。対戦相手の鹿島学園(茨城)はスピーディーなパスワークからゴールへ近づく技巧派チーム。ただ、鹿児島城西(鹿児島)は実力校のプレッシャーを力づくで跳ね除けた。
 前半5分に鹿島アントラーズ入団内定のエース大迫勇也(3年)が2戦連発となる先制ゴール。中盤と最終ラインとの間にできたスペースを突かれ、同点に追いつかれたが、この日の鹿児島城西はすぐさまセットプレーからDF成元将平(3年)のゴールで勝ち越し。逆転を喫した初戦とは違った。そして後半の立ち上がりには立て続けの2ゴールで鹿島学園の反撃を押さえつけた。
 前日の初戦では個人プレーに走る場面が目立ち、時間帯によってプレーの精度にかなりのブレがあった。小久保悟監督は初戦後にまずその点を選手たちに指摘。「昨日は選手が頑張ろうとし過ぎた。でもサッカーは1対11人では絶対に勝てない。1+1は2にでも、3にでも、12、13にもできるという話をした。チームを信用してやろう、と話した」。この言葉に選手たちは原点に戻った。「みんなで連動してゴール前へ行くことを意識した」とMF安田啓優主将(3年)が説明するようにイレブンは味方を信用してパスを出し、スペースへと走った。前日はシュート26本で3点だったのが、この日は15本で4点。何度もあった決定機を活かせない場面が多かったことは確かだが、中央、サイドからの多彩な攻撃を軸とした本来のサッカーが復活。安田は「昨日の緊張も取れて、自分たちのサッカーができた」と胸を張った。
 これで8強進出。2戦連続2得点のU-19日本代表候補FW大迫勇、中盤のキーマン・大迫希といった得点源に加え、セットプレーからも得点を取れる攻撃力は対戦相手にとって脅威だ。今年のJFAプリンスリーグ(U-18)九州で昨年優勝の東海大五高(福岡)から8点、大分U-18(大分)から7点を奪うなど1試合平均4得点をマークしてきた鹿児島城西の攻撃陣が機能しだした今、その爆発は簡単にはとめられそうにない。
<写真>前半22分、鹿児島城西はDF成元(背番号5)が勝ち越しのヘディングシュートを決める
(取材・文 吉田太郎)

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