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[高校総体]流経大柏が偉大な先輩越えに王手(流通経済大柏vs大分鶴崎)

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[8.02 全国高校総体サッカー競技準々決勝 流通経済大柏 2-1 大分鶴崎 埼玉スタジアム第2G]

 流通経済大柏が“幻影”払拭に王手をかけた。2年連続の4強進出を懸けた準々決勝は前半4分に先制点を奪われながら、その後前線からの激しいプレッシャーで主導権を握り、同26分にセットプレーから同点に追いつく。そして後半28分にはMF野村良平(3年)からのパスを受けたFW久場光(3年)が鮮やかなドリブルシュートで決勝ゴール。4強への道を切り開いた。
 昨年度は現在U-19日本代表にも名を連ねるFW大前元紀(18=現清水)、MF中里崇宏(18=現流通経済大)、MF村瀬勇太(18=現流通経済大)らを擁し、全日本ユース(U-18)選手権と全国高校選手権の2冠を達成。当然新チームには連覇の期待が懸けられている。ただ、彼らにとってまず何よりやらなければいけないこと、それは全国総体で4強以上へ進出することだった。今年、流経大柏はJFAプリンスリーグ(U-18)関東で5位。全日本ユース出場権こそぎりぎりで獲得したが、優勝したFC東京U-18に5ゴールを奪われるなど4敗を喫してしまった。
 昨年のチームからMF田口泰士(3年)と久場こそ残ったが、レギュラーはほぼ入れ替わった。昨年は中盤で完全に試合の主導権を握り、流れるようなパスワークと個人技で相手を圧倒していたが、経験の少ない今年の選手達は期待に反して苦戦。守備力が落ち、決定力不足とも囁かれた。「別の学年、別のチームなのだから意識することはない」と本田裕一郎監督は選手達に言葉をかけてきたが、選手達は結果が出ないことへ焦り、迷い、自分たちを見失っていた。
 ただ、準々決勝での勝利は「08年度版・流経大柏」にとって大きな1勝だ。これで昨年のチームの全国総体4強という記録に並んだからだ。久場は「今年もベスト4に入ることができた。昨年の強かったチームのプレッシャーがあったけど、結果で並ぶことができた」と力を込めた。「昨年のチームに比べて今年の流経大柏は・・・」という言葉は嫌というほど聞いてきた。今回は評価を覆す絶好のチャンスだ。久場は「(全日本ユース選手権、全国高校選手権を含めて)昨年を越せる大会はここしかない。みんなで伝統をつくろうと言っている」。明日3日の準決勝の相手は優勝候補の鹿児島城西(鹿児島)を破り勝ち上がってきた佐賀東(佐賀)。ただ、イレブンは自分たちのために勝って、偉大な先輩越えを果たす。

<写真>前半26分、同点ゴールを決めた流通経済大柏MF野村(右)が歓喜のパフォーマンス
(取材・文 吉田太郎)

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