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ルーニー優勝弾!10人のマンUが世界の頂点に

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[12.21 クラブW杯(FCWC)決勝 LDUキト0-1マンチェスターU 横浜]

 FIFAクラブW杯は21日、横浜国際総合競技場で決勝を行い、南米代表のLDUキト(エクアドル)と欧州代表のマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)が対戦。マンチェスター・Uは後半4分に退場者を出し、10人での戦いを強いられたが、後半28分にFWクリスティアーノ・ロナウドのパスからFWウェイン・ルーニーが値千金の決勝ゴールを決め、1-0で競り勝った。マンUの優勝は前身のトヨタ杯時代の99年大会以来、9年ぶり2回目。赤い悪魔が、名実ともに世界の頂点に立った。

 マンUは4-4-2のシステムで、GKファン・デル・サール、4バックは右からラファエル、ファーディナンド、ビディッチ、エブラと並んだ。中盤はアンデルソンとキャリックのダブルボランチで、右サイドにパク・チソン、左サイドにクリスティアーノ・ロナウドが入り、ルーニーとテベスが2トップを組んだ。
 対するキトは4-2-3-1。167cmの小柄な司令塔、マンソがトップ下に位置し、1トップはビエレルというアルゼンチンコンビが攻撃を担った。

 最初のビッグチャンスをつかんだのはキトだった。マンソのFKからゴール前に飛び込んだDFカンポスはフリーで合わせたが、シュートはゴールの枠をそれる。相手のミスに救われたマンUはこの後、猛攻に打って出た。前半10分、後方からのフィードをルーニーが胸トラップして右足を振り切り、ゴールを強襲。同15分にもこぼれ球を拾ったルーニーが強烈な右足ミドルを放った。いずれも相手GKの好守に阻まれたが、流れは完全にマンUに傾いた。

 前半19分、左サイドでボールを持ったC・ロナウドが得意のシザーズフェイントでDFをかわし、ゴール前にクロスを上げると、テベスはヘディングで叩き付けたが、GKが身を呈して防いだ。C・ロナウドはルーニーやパクとポジションチェンジしながら前線、右サイドと神出鬼没の動きで敵を翻弄。ルーニーも抜群のキープ力でタメをつくり、隙があればすかさずシュートを狙った。

 前半35分にもルーニー、テベス、ルーニーとつなぎ、右サイドから駆け上がってきたパクが右足で狙うが、ここもGKにクリアされた。同41分にはエブラがインターセプトから左サイドを持ち上がり、ルーニーにパス。最後はテベスがシュートを放ったが、GKの正面だった。

 マンUの猛攻に耐えるキトはマンソにボールを預け、速攻のチャンスを伺う。前半26分にはマンソのドリブル突破から最後はボラーニョスがシュートを狙ったが、ゴール左へ。同38分、マンソが自ら右足で放ったミドルもゴール上に外れた。ゴール前で決定機をつかむまでには至らず、前半は0-0で終了。キトとすれば、よく耐え抜いた45分間だった。

 後半開始早々、マンUをアクシンデントが襲う。後半4分にセンターバックのビディッチがひじ打ちでまさかの一発退場。急きょテベスに代えてDFエバンスを投入し、ルーニーを左サイド、C・ロナウドを1トップに置く4-4-1に変更せざるを得なかった。数的優位に立ったキトはボールポゼッションを高め、マンUを押し込み出す。逆にマンUはカウンターでチャンスを狙うという前半とは正反対の展開になった。

 後半18分、マンソの左足ミドルはゴールの左上隅を捉えていたが、GKファン・デル・サールが右手1本でかき出すスーパーセーブでしのぐ。緊急事態にも守備陣が辛抱強く耐えたことで、ひとり少ないマンUが先制に成功する。後半28分、C・ロナウドが左に流したボールをルーニーがダイレクトで右足を振り抜き、ゴール右隅に蹴り込んだ。

 まさかの先制点を許したキトはさらに人数をかけて前がかりに攻めるが、マンUもしっかりと守りを固め、反撃の隙を与えない。後半44分にはマンソがまたも強烈な左足ミドルシュートでゴールを襲ったが、GKファン・デル・サールが鋭い反応でゴールを死守。10人のマンUがそのまま試合をシャットアウトし、世界一の称号を手にした。

(取材・文 西山紘平)

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