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Jを目指せ! by 木次成夫

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第144回「JFL前期14節 町田ゼルビア対ジェフリザーブズ」
by 木次成夫

 ゼルビアのホーム、町田市立陸上競技場はメインスタンドにしか椅子席が、ありまぜん。ゴール裏とバックスタンドは芝生です。とはいえ、芝生側の一般(大人)料金は500円(前売り、当日とも)と格安。ちなみに、JFL18チームのうち14チームの一般自由席当日料金は1000円。大人が「ワンコイン(500円)で楽しめる」のは、ゼルビアだけです。

6月7日 JFL前期14節
町田ゼルビア 0-0 ジェフリザーブズ

 前期13節終了時点で、1位=ガイナーレ鳥取(勝ち点27)、2位=横河武蔵野(同27)、3位=ジェフリザーブズ(同25)、4位=アルテ高崎(同24)、……11位=町田ゼルビア(同15)。

[ジェフリザーブズとは?]
 ジェフ千葉の“セカンド・チーム”で、トップチーム契約の“プロ”と下部組織のユース所属選手、そして、リザーブズ契約の“アマチュア”が混在しています。アマチュア選手の仕事(あるいは大学など学校)を考慮して、平日の練習は夜。「ゼルビア(の運動量)が落ちる前に、うち(の運動量が)が、落ちてしまいました。比較的涼しい夜が多かったので、暑さ(30,2度=公式発表)も影響したと思います」(ジェフリザーブズ、越後和男監督)。

 今季の“プロ”契約選手は、以下の6人。

DF、市原充喜(23歳=04年加入←東京学館高校)
DF、山中誠晃(20歳=07年加入←明徳義塾高校)
FW、金沢 亮(20歳=07年加入←金光大阪高校)
MF、奥山泰裕(23歳=08年加入←東北学院大学)
MF、高田健吾(19歳=08年加入←ジェフ・ユース)
MF、乾 達朗(19歳=08年加入←ジェフ・ユース)

 そして、ゼルビア戦のメンバーは以下の通り(今季4得点の金沢は、怪我で欠場)。

GK、大河原弘樹(23歳=加入2年目、前・尚美学園大学)
右SB、安川洋介=主将(25歳=加入4年目、前・東洋大学←東福岡高校)
CB、宇野勇気(24歳=加入3年目、前・びわこ成蹊スポーツ大学)
CB、市原充喜
左SB、山中誠晃
右MF、奥山泰裕
ボランチ、高田健吾
ボランチ、蓮沼 剛(25歳=加入4年目、明海大学)
左MF、乾 達朗
FW、鳥養祐矢(21歳=加入3年目、前・ジェフ千葉ユース)
FW、出口 司(23歳=今季加入、前・筑波大学)

(サブ)
GK、上野拓也(28歳、前・千葉県立生浜高校)
DF、山崎悟志(23歳=今季加入、前Y.S.C.C=関東リーグ)
MF、佐藤誓哉(22歳=今季加入、前・中央大学←市立船橋高校)
MF、村野太一(23歳=加入2年目、前・流通経済大学)
MF、村上 翔(19歳、前・ジェフ千葉ユース)
MF、岡庭和輝(17歳、前・ジェフ千葉ジュニアユース習志野)
FW、宮内 亨(23歳=今季加入、前・国士舘大学)

[試合総括]
 観客=2110人(公式発表)。ゼルビアは本来の2トップを負傷で欠いているためか、優勢に進めながらも勝てない“ありがち”な結果に終わりました。シュート本数は、ゼルビア16本(前半5本、後半11本)に対して、ジェフ6本(前半4本、後半2本)。

「うちにとっては、ラッキーな結果です」(ジェフリザーブズ、越後監督)

 ジェフは昨季15位ですから、現状は大健闘。安川、宇野ら複数年の経験を積んだアマチュアの存在が効いています。

[14節終了時点の順位]
1位=ガイナーレ(勝ち点30)、2位=横河武蔵野(同27)、3位=ジェフ(同26)、4位=SAGWA SHIGA(同24=1試合未消化)、……7位=ニューウェーブ北九州(同22)、……10位=ゼルビア(同17)、……13位=V・ファーレン長崎(同15=1試合未消化)……。

[Jサテライト・リーグは不要では?]
 Jリーグには、サテライト・リーグも、あります。当初はJリーグ同様に1リーグ制でしたが、経費削減のためか、96年から“近場のチームどうし”でグループ分けする方式に変更されました。今季は29チーム(J1=18チーム、J2=11チーム)を5チームか4チームの6グループに分けて開催。ホーム&アウェー各1試合。つまり、5チームのグループでも年間8試合のみ。若手強化が日本全体の問題になっている中、疑問を感じます。高校生段階ではプリンスリーグなど多くの試合がある状況とは、対照的すぎ!   

 サテライト・リーグを廃止して、すべてのJクラブに“セカンド・チーム”創設を義務付けるか、大学生も含めて“次世代プリンスリーグ”を創設した方が、現状よりは“はるかに”効果的だと思うのですが……。 

[セカンド・チームで社会人リーグに参加する意義]
1.選手のレベルアップを促進するだけでなく、例えば、チームメイトにせよ、対戦相手にせよ、アマチュアに競り勝てなければ、“プロ“としてのモチベーションが“いっそう”高まるはず。

2.Jリーガーにとって、JFL以下のクラブは、選手あるいは指導者として、将来の契約先になる可能性もあるわけですから、状況を知ることは、人生設計にも役立ちます。

3.ファンにとっても、若手の成長過程を見られることは、楽しいはず。

4.他の“上を目指す”クラブの刺激にもなります。例えば、徳島ヴォルティスと愛媛FCのセカンド・チームは四国リーグに所属しています。ヴォルティス・2nd(07年=優勝、08年=2位)と、愛媛FCしまなみ(昨季3位の、しまなみFCを今季から傘下に再編)。“Jを目指す”カマタマーレにとっては「厄介な存在」である一方、チーム力アップのためには、拮抗したライバルの存在は不可欠。と言っても、目先の問題として、カマタマーレは、もはや“全勝するしかない(可能性が高い)”状況になってしまいましたが……。

・四国リーグ
7節(6月7日)
徳島ヴォルティス・2nd 2-0 カマタマーレ讃岐(昨季優勝)
南国高知FC 1-9 愛媛FCしまなみ 
*リーグ前半戦を終えて、首位=ヴォルティス・2nd(勝ち点19、6勝1分)、2位=カマタマーレ(同18、6勝1敗)、3位=しまなみ(同13)。南国高知は8チーム中7位(同5)

[JFLとサテライト]
 そもぞも、JFLとサテライト・リーグの双方を戦うのは、現状では日程的に無理があります。例えば、今季のジェフの場合……、

5月9日(土)、JFL前期10節 対三菱水島FC(ジェフ・ホーム=千葉県習志野市で開催)
5月10日(日)、サテライト・リーグ 対湘南(湘南ホーム)

 ちなみに、金沢亮は2試合ともスタメン出場。体調を考慮してか、三菱戦は61分で交代したとはいえ、コンディション維持の観点では、良いわけが、ありません。さらに、今後は越後監督を悩ませる(かもしれない)日程が、待っています。

7月11日(土)JFL後期2節 対ガイナーレ鳥取(鳥取ホーム)
7月12日(日) サテライト 対鹿島(鹿島ホーム=ひたちなか)

9月27日(日)JFL後期10節 対ゼルビア(ジェフ・ホーム)
9月27日(日)サテライト 対FC東京(東京ホーム)

 対戦相手と交渉して、サテライトは平日ナイターに変更するとか、策はあると思うのですが……。

●Jリーグを目指すクラブの動向

・東北リーグ1部
7節(6月7日)
福島ユナイテッド(今季昇格) 7-0 秋田カンビアーレ
NECトーキン(昨季3位) 0-0 グルージャ盛岡(昨季優勝)
*首位=福島U(勝ち点19、6勝1分)、2位(同17、5勝2分)、3位=トーキン(同16、5勝1分1敗)。

・北信越1部3節
順延試合(6月7日)
ツエーゲン金沢 5-0 サウルコス福井

*7節終了時点の順位
首位=ジャパンサッカーカレッジ(勝ち点17)5勝2分
2位=松本山雅(同16)5勝1分1敗
3位=長野パルセイロ(同15)4勝3分
4位=ツエーゲン(同13)4勝1分2敗
5位=サウルコス(同9)3勝4敗
6位=グランセナ新潟(同6)2勝5敗
7位=上田ジェンシャン(同4)1勝1分5敗
8位=ヴァリエンテ富山(同0)

・関西1部
7節(6月6日)
バンディオンセ加古川(昨季優勝) 1-0 アイン食品
ASラランジャ京都 0-1 BIWAKO SC HIRA
*首位=ラランジャ(勝ち点17)、2位=三洋電機洲本(同17)、3位=バンディ(同17)。上位3チームが5勝2敗で“折り返し”

・中国
10節(6月7日)
元気SC 0-3 レノファ山口(昨季優勝) 
*首位=香川急便中国(同25)、2位=NTN岡山(同22)、3位=宇部ヤーマン(同19)
4位=レノファ(勝ち点16、5勝1分3敗=1試合未消化)。

・九州
8&9週(6月6、7日)
(6日)
ヴォルカ鹿児島 2-2(PK2-4) 沖縄かりゆしFC
(7日)
ヴォルカ 4-1 川副クラブ
かりゆし 4-1 新日鐵大分
*首位=ヴォルカ(勝ち点22)、2位=かりゆし(同20)、3位=新日鐵(同15)

<写真>試合前、玉川大学ダンスドリルチームが演技を披露。写真は、マ→チ→ダ→ゼ→ル→ビ→アと続くパフォーマンス

※本コラムは毎週火曜日更新予定です。ぜひ感想やあなたの地元クラブの情報をこちらまでお寄せください。

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