beacon

シーズン終盤で高まる川崎Fの完成度、鬼木監督が指摘する「足りなかった姿勢」

このエントリーをはてなブックマークに追加

川崎Fが大量得点で勝利

[11.28 ACLグループI第5節 川崎F 5-0 ジョホール 等々力]

 5ゴールすべてが“らしさ”あふれる形だった。川崎フロンターレは今季公式戦でのホーム最終戦で圧倒的な試合展開を見せ、AFC アジアチャンピオンズリーグ(ACL)グループ首位を確定させた。鬼木達監督は試合後の会見で「ACL予選突破が懸かったゲームで、点差的にも選手がすばらしいものを残してくれた。きょうのゲームは突破することが一番重要。気持ちのこもったプレーもあった」と選手たちの労をねぎらった。

 J1リーグではタイトル争いから早々に離脱していた。しかしシーズン終盤の今、チームは完成度を高めている。きょうの5ゴールはすべて川崎Fのストロングが発揮された。細かいパスワークからサイドを崩し、ゴール前で人数をかけてフィニッシュを決め続けた。鬼木監督は「ここ最近やっと自分たちの狙いのところで、リーグ戦でも入っていけている」と手応えを語る。ゴールの形にフォーカスして「終盤にかけて徐々にそういうところから得点が生まれている」と力を込めた。

 指揮官は今シーズンの戦い方を振り返る。2017シーズンの初優勝から18シーズンの連覇、そして20、21シーズンの連覇と一時代を築いた。しかし主力がチームを抜け、さらに相手による分析も進み、今シーズンは苦戦する場面も目立った。指揮官は自チームの“姿勢の悪さ”を強調する。「相手も自分たちの戦い方をわかっているが、わかっているからやめてしまう。わかっていてもどんどん崩すという姿勢が足りなかったが、最近は出ている。それが結果につながっている」とここまでの改善点を挙げた。

 改めて、いま現在はACLに照準を合わせる。「今いる選手たちにどこを求めていくか。ひとつアジアというところに、自分自身もフォーカスしなければいけないという思いが強くなってきた」。数々のタイトルを手にしてきた川崎Fに、指揮官はアジア制覇を求めている。

 ACLとともに、天皇杯も12月9日に決勝を控えている。トーナメント戦で勝ち切る強さは確実に身に付いてきた。「より確実に上がっていける、そういう力を付けていきたいという気持ちがあった。ACLをこの形で突破できたのは嬉しい」。素直に喜びを語りながらも「ここからが一番難しい」と冷静だ。「選手とチームの成長を一致させながら、(ACLの決勝トーナメントは)来年になるが、そこで取れれば」と悲願のタイトル奪取に向け、先を見据えていた。

(取材・文 石川祐介)
●ACL2023-24特集
石川祐介
Text by 石川祐介

TOP