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横浜FMが初のACL制覇に王手!! 植中&渡辺弾で終盤逆転劇、1点リードで敵地UAEでの最終決戦へ

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FW植中朝日が起死回生の同点ゴール

[5.11 ACL決勝第1戦 横浜FM 2-1 アルアイン 日産ス]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は11日、日産スタジアムで決勝第1戦を行い、横浜F・マリノスアルアイン(UAE)と対戦した。前半11分に速攻から先制点を奪われたが、後半27分にFW植中朝日のヘディングシュートで同点に追いつくと、同40分に途中出場のMF渡辺皓太が劇的な逆転弾。クラブ史上初のACL制覇に向け、貴重な1点リードを持って敵地での第2戦に臨む形となった。

 横浜FMはJ1リーグ前節・浦和戦からGKポープ・ウィリアムを除いた先発全員を変更。前々節で左肘を負傷したFWエウベルもサポーターを巻いて先発し、ACL準決勝第2戦・蔚山現代戦を負傷欠場していたMF喜田拓也も復帰を果たした。アルアインは4-2-3-1のシステムで、今大会最多11得点のモロッコ代表FWソフィアン・ラヒミらが先発に名を連ねた。[スタメン&布陣]

 試合の入りは横浜FMペースでスタート。エウベル、FWヤン・マテウスが遠い距離からでも積極的にシュートを狙い、アルアイン守備陣に圧力をかけた。さらに前半8分、中盤で喜田がこぼれ球を拾うと、エウベルからのパスを受けた植中がミドルシュート。GK正面に飛んだが、良い形で攻撃を進めていた。

 ところが前半13分、アルアインにファーストチャンスで先制された。長い距離のスローインをMFパク・ヨンウにフリックされると、ラヒミにDFエドゥアルドがスピードで抜き去られ、1対1のシュートはポープがスーパーセーブ。しかし、その跳ね返りをMFモハンメド・アルバルーシに決められた。

 一方の横浜FMは前半26分、MFヤヒア・ナデルの横パスをかっさらった植中がそのまま持ち運び、ペナルティアーク付近から右足一閃。ゴール右隅を突いたが、GKハリド・エイサのスーパーセーブに阻まれた。また直後の27分には変化をつけた右CKからDF永戸勝也が左足を振り抜くも、相手DFに当たったボールがGKに阻まれ、立て続けのビッグチャンスは活かせなかった。

 そうして迎えた前半30分、FWアレハンドロ・ロメロの鋭い縦パスからペナルティエリア右を抜け出したMFマティアス・パラシオスの強烈なシュートがポープの股下を抜け、そのままゴールマウスに入った。だが、一度はゴールが認められるも、VAR介入の末にオフサイドが判明。スコアは0-1で変わらず、横浜FMにとっては命拾いとなった。

 横浜FMは前半34分、松原の浮き球パスに植中が右サイドを抜け出し、うまくボールをキープしてターンに成功すると、マイナス方向へのパスに喜田が反応。だが、シュートはまたもGKエイサのスーパーセーブに阻まれた。直後には横浜FMにアクシデント。エドゥアルドが足を痛めてプレーを続けられず、同37分にDF渡邊泰基が投入された。

 そんな渡邊は前半41分、最初のピンチでラヒミとの競り合いに持ち込まれたが、対人守備で奮闘。その後は裏に抜けられる場面もあったが、ポープのファインセーブで持ち堪えた。同アディショナルタイム1分にはエウベルのラストパスにヤン・マテウスが抜け出し、折り返しのパスからナム・テヒがフリーでシュート。だが、コントロールしたはずのシュートは左に外れ、絶好のチャンスを逃した。

 試合はそのまま後半へ。5分、横浜FMはゴールキックをはね返せずにいると、ロメロのヘディングフリックからラヒミに抜け出され、大ピンチを作られる。だが、ここは永戸がなんとかカバーに入り、シュートは打たせなかった。ハリー・キューウェル監督は同15分、喜田とエウベルに代わり、MF渡辺皓太とFW宮市亮を投入した。

 そうして迎えた後半27分、横浜FMがついにこじ開けた。A・ロペスがやや低い位置に降りてボールを収め、右サイドに送り込むと、ヤン・マテウスのふわりとしたクロスに植中が反応。高い打点のヘディングでゴール左隅に押し込んだ。植中は準決勝第2戦での2ゴールに続き、アジアの頂点を争う舞台でまたしても結果を出した。

 さらに勢いを出したい横浜FMは後半32分、植中とナム・テヒに代わってMF山根陸とMF榊原彗悟を投入。すると同40分、横浜FMは山根が空中戦で競り勝つと、榊原のパスを受けたヤン・マテウスがクロスを送り、宮市の折り返しに渡辺が反応。うまく軌道を変えてゴールに押し込んだ。副審はフラッグアップしたが、ここでVARが介入。オンサイドでゴールが認められ、劇的な逆転ゴールとなった。

 試合はそのままタイムアップ。横浜FMは53704人が集まったホームで見事な逆転勝ちを果たし、25日に敵地UAE・アルアインで行われる第2戦に1点のリードを持って臨む形となった。

(取材・文 竹内達也)

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